インドを旅する駐在員

1978年 生まれのサラリーマン。2015年からインド ムンバイに在住。国内外問わず とにかく ビール と 旅 が大好き。  最近、白髪が増えてきた…

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.22

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-11.png

  • 純次の余韻…

しかし、EP.21でのバイヤーの最後の一言、『タカダ ジュンジ』には、

4460を膝から崩れさせる破壊力があった

ジュエリーデザイナー。ミスター無責任。じゅん散歩…。

 

あぁ。頭から離れない。少し歩いて町からの刺激で忘れよう。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0783-1024x768.jpg

しばらくボーとしながら歩いていると、またまた ハワーマハール。

今回は夕日を背負っている。

 

好みもあると思うが、日中の光を十分に浴びている姿が、4460は、好きかな

 

おおっ。今、知らないうちに純次が頭から消えていた

この調子だ。どんどん歩こう。

 

  • ラッシーを飲もう

ジャイプールの旧市街は、ムンバイのように近代的な高層ビルが乱立しているような場所ではない。

低層階の建物が、狭い路地部分だけを残して密集して、そして、ひしめき合っている。

その隙間をものすごい数のインド人がズイズイと歩き回りながら、

ぐるぐると独特の雰囲気とエネルギーを放出している

 

その熱気を楽しみながら じゅん散歩していると、何やら行列ができている。

インドで行列も珍しい。

 

近づいて行ってみるとラッシー屋さん ラッシーワラだ。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0776-768x1024.jpg

宝石屋で喋りまくり、じゅん散歩で歩き回って、さすがに喉も乾いて 小腹も減った…。

 

おじさん、ラッシー1杯ください

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0777-768x1024.jpg

おじさん、『…。』

無言で受注。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0778-768x1024.jpg

おじさん、無言で素焼きのコップを1つ手に取って、手前にセット。

 

この素焼きのコップは、使い切りで一度使ったら廃棄する

もったいないように感じるが、素焼きだから粉砕したら土に還る

素焼き工程で熱を使うがごみは出ない。

ちょっとエコ

 

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0779-768x1024.jpg

おじさん、無言でラッシーを注ぎ込む。

 

おもむろに、無言で奥のバッカンに入ったヨーグルトを

ヘラですくって一番上に乗せる。

 

後ほどわかるのだが、この硬めのヨーグルトがメチャクチャ美味しい。

増量してもらえばよかった…。

 

無言のまま出来上がり。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0781-768x1024.jpg

おじさんに、無言で手渡される。

スプーンですくって食べてみる。

 

あぁ~。これ、美味しい奴や

 

程よい硬さの中に甘みがあって、飲み物というよりは、

どちらかというと食べ物に近い。

無言のラッシーおじさん、ありがとう。

 

  • 王様ホテルに帰ろう

ラッシーを飲み終え一息ついて、周りを見てみると ずいぶん陽が傾いてきたようだ。

 

そういえば、今日は 朝からずいぶん動き回って濃密な一日だった。

まだ、この旅は始まったばかりだ。無理する必要はない。

明日の午後から列車に乗ってジョードプルへ移動する計画になっている。

 

そろそろEP.10で登場した王様ホテルまで帰ろう。

 

電動リキシャをつかまえて、行き先を伝える。

…もしかしたら、チェキヲさんが運転してるかもと期待して運転手の顔を見たが、

運転手も リキシャも ずいぶん若くてシャキッとしていた…。

 

窓はないけど、リキシャの車窓から街を見ると、インドの時間はここから!

と言わんばかりの人混み。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0429-1024x768.jpg

エネルギーを肌で感じ、後ろ髪を引かれる気持ちを断ち切り、なんとかホテルに到着

 

明日は、昼から列車で移動。今夜も早く休んで 気力と体力の回復だ

 

次回は、ジャイプールでやり残したこと…。

今日はここまで。

 

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.21

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-12.png

  • にーちゃんの正体…

ジャイプール市街地のメインストリートで、偶然前から歩いてきた にーちゃん

不思議な感じだが、今、一緒にテーブルを挟んで 2人で酒を飲んでいる

 

ビールが飲めるBARは、何処にあるか知っていますか?

確かに4460は、そう、彼に尋ねた。

 

この質問に対する答えは、『知りません』 または、『知っています』の2択だ。

知っています』の場合は、以下の選択肢が発生する。

1.その場で、口頭で説明する。

2.その場で、グーグルマップを使って説明する。

3.一緒に連れて行ってあげる

 

まあ、こんなところだろう。しかし、この にーちゃん は違う

 

…一緒について行って、自分も酒を飲む…。

突き抜けた発想や…。彼は何者なんだろう。

 

何処から来たんだ?国はどこだ?

なぜ、今、ジャイプールにいるのか?

どのぐらいの滞在期間か?

ビザはどうしたんだ?

お互い自身の年齢、家族構成、コロナ禍の話など

当り障りのない会話を楽しみながら、酒が進む

 

仕事の話に差し掛かった時、

にーちゃんが『俺は、宝石の仕入れをしているバイヤーだ

 

まじか…

 

ここまでの苦労が繋がっていく感覚…。

詳しく聞かせてくれ。

 

バイヤー『オレが仕入れて、兄貴が加工して、従弟の店で売るんだ

やっぱり、予測していた通りのビジネスモデル…

 

サトウという日本人パートナーと組んで日本人好みのデザインも扱ってるぜ』

 

キターーーーーー‼ それっ見てみたいっ‼

 

すぐに checkを済ませて店を出る。

支払い?そんなもん俺が出してやるよ。

 

  • 日本人好みのデザイン

バイヤーと連れ立って、従弟の店へ向かう。

こんな形で宝石の情報が手に入ると思ってもみなかった。

 

ビール最高!

 

小さな間口の従弟の店に到着。

店内に入ると4畳半ぐらいの広さの店内に小さなショーケースと

壁一面に積み上げられたプラスチックケースの山。

 

店員が3人もいる。

バイヤー、4460を合わせると5人息苦しいよ…

 

ここは、LINE ビデオ 通話の出番だ。

日本にいる妻と3.5時間の時差を乗り越えて、ビデオ通話を繋げてみる。

 

リクエストのイヤリングって、こんな感じ?

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0793-1-1024x905.jpg

妻:そうそう、そんな感じ! 

4460:こんな感じ?

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0792-1024x576.jpg

 妻:そうそう、そんな感じ!

4460:こんな感じ? 

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0791-1-1024x796.jpg

妻:おおっ。そんな感じ。

ご満足いただけたようだ。

4460もうれしい。

 

スモーキークォーツ、ムーンストーンサファイア、ルチル…。石の種類も多い。

イヤリング 3点、ネックレス 3点 をゆっくり選ぶ…。

なかなか楽しい。

 

価格の交渉に入ると、さすがインド人。バイヤーを含めて手ごわい相手となる。

しかしビデオ通話のおかげで日本からの援護射撃が加わると、

徐々に流れが日本チームに傾く

 

インドチームが疲れてきたスキをついて、日本チーム、ゴール!

ファイナル ディシジョン、破格の買値で勝利を手に入れた。

 

今後、ジャイプールに旅をするすべての日本人のために、ここでは価格は発表しない

あえて言うなら、ここには夢がありますよ…

 

目的も達成したし、そろそろ店を出るか…。

そう思って立ち上がると、バイヤーが名刺を渡してくれた。

バイヤー『いつでもここに連絡してくれ。うちの宝石を日本で売ってほしい

 

そうか、こうやって、

日本人好みのデザイン→ジャイプールで作らせる→仕入れにインドまでやってくる→ハンドキャリーで持ち帰える→日本で売る。

そういう方がいるんだ…

 

知らなかった世界を、少しだけ垣間見たような気がした。

 

  • 余韻だらけの別れ際の一言

バイヤー『オレは、一言だけ日本語が話せるんだ』

従弟の宝石店を出て、メインストリートまで4460を送ってくれているときに、

バイヤーが少しはにかんで話しかけてきた。

バイヤー『うまく発音できるかな』…照れずに言ってみろよ…

バイヤー『うまく伝わるかな』…溜めるな~。言ってみなさい。…

バイヤー『タカダ ジュンジ。』………。

 

ここにきて、高田純次ミスター無責任

 

高田 純次(1947年 1月21日生まれ)日本のコメディアン、俳優。初代ブラックデビル

記憶が正しければミスター無責任は、かつて宝石営業とジュエリーデザイナーの経歴があったはずだ。しかし、2021年のインド ジャイプールで、その経歴だけで名前を後世まで残していけるのか…。

 

そして、ついさっき買った宝石が『いい加減な代物』に思えてくるから不思議だ…。

どうして高田純次なんだ…。どうして、最後の最後の段になって、純次…

 

モヤっとした余韻を残したまま、悶々としながら歩いていると、メインストリートにつながる通りの角で小さな椅子に腰かけた女性が ヘナを手に描いてもらっているのが見えてくる。

 

小さく手をあげて、…ここで大丈夫。

バイヤーと別れることにした。

彼を伝手にして、答えを探しに また 宝石を買いに来よう

 

次回は、名物『ラッシー』をいただきに行こう。

今日はここまで。

 

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.20

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-13.png

  • チェキヲさんとお別れ

電動リキシャの運転手、チェキヲさんとは、EP.07からの付き合いとなるが、

そろそろお別れだ。

 

4460は、宝石の町としてのジャイプールを見てみたいと考えているので、

リキシャが必要でなくなる

ここからは足で稼いで、もっと見識を広げるためだ。

 

チェキで写真を撮ったことがきっかけで、チェキヲさんとは2日間にわたって

一緒にジャイプール周辺を駆け回ることになった。

 

時には、寝坊して遅刻をする。

また、モンキーテンプルを大きく勘違いすることもあったが、

基本的には、憎めない奴だ。

 

ジャイプール市内に到着し、ここで降ろしてほしい

料金はいくらだ?と聞くと、

チェキヲさん『300ルピー』『寝坊したから…

まじか…泣いてまうやろっ!

インド人やったら、気にするな!落ち込むな!前だけ向いて走れっ!

 

そして、ポンコツ電動リキシャを修理しろっ

 

チェキヲさんに500ルピーを渡して別れることにした。

 

握手の代わりにグータッチをしてリキシャを降りる。

4460は、インド人の雑踏の中に歩を進めてから、そっと、振り返ってみる。

チェキヲさんがまだ、こっちを静かに見ていた

お互い少し手を挙げてあいさつすると、ポンコツ電動リキシャとともに、

リリースされた魚のように、静かに車の流れの中へと消えていった

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0784-1024x768.jpg

 

  • 妻からの依頼

今回の列車の旅で、ジャイプールを訪れることを 4460は、事前に妻に知らせていた。

 

妻からは『日本でも使えそうなインドジュエリー、イヤリングが欲しい』とリクエストを受けている。

 

家族とインドで過ごした4年間の間に、4460も”インド人好み”のデザインと”日本人好み”のデザインの差が何となく掴めてきているとの自負がある

 

その両者を別ける最大のポイントは、デザインの線の太さにあると4460は考えている。

 

今回は、無数にある宝石店の中からランダムチェックを実施して、日本人好みのデザインを探し出すのだ。

 

…テーマが壮大過ぎて眩暈がしそうだが、先ずは、できることからやってみよう。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0761-1-1024x768.jpg

まずは、メインストリートを歩いて宝石屋を探す

インドの小売店は、親族経営が多く同じところに密集する労働集約型のビジネススタイルが多い。例えば、宝石屋なら、いとこ仕入れた石を 叔父が加工して、親父の店で売る感じだ。そしてみんな近くに店舗を持って手渡しで商売をしている。

 

だから、1件見つけたら、芋づる式に 100件見つかるはずだ。

 

宝石屋を見つけたら、路地まで入っていって、ショウウィンドウを確認する。

少し当りのありそうな店では、中に入ってオヤジと話をしてみる。

同じ方法を何度も繰り返してみるが、日本人好みのデザインは全く見つからない

どれも、インド人好みのごついフレームのデザインだ

 

30軒ぐらいは見ただろうか、さすがに疲れたし 喉も乾いた…

 

ビールでも飲もう。

 

・ビールを求めて

ビールが飲みたい

でも、いざ探してみると これがなかなか見つからない

 

宝石もビールも見つからないと、さすがに疲労が蓄積する。

 

うーん。ちょっと前から歩いてくるにーちゃんに聞いてみよう。

 

このあたりにビールが飲めるBAR はありませんか?

にーちゃん『メインストリートには、ないよ』

メインストリートには、無い?

 

にーちゃん『バックストリートに安いBARがあるよ』

バックストリートかぁ…。ちょっと心配だが、ビールは飲みたい…。

仕方がない。よしっ行こうっ!

 

にーちゃんと一緒にメインストリートを少し歩き、路地へと入っていく。

右へ左へ細かく何度も角を曲がり進んでいく。

建物に囲まれた裏路地で日が差している向きもわからなくなり、方向感覚を失う。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0769-768x1024.jpg

路地の様子も荒れてる感じになってきた。

これは、やばいかな…

 

少しでも危険を感じたら引き返そうそう心の中で決めていた

にーちゃん『ここの地下だ。』ホンマにあった…。

確かにBARや

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0771-1-768x1024.jpg

EP.06でも少し触れたが、インドでは、街の食堂や小さなレストランを『ホテル』と呼ぶ習慣がある。

 

ここの看板もHOTELと書いているが、ビールを飲むことはできても、泊まることはできない。じゃあ、宿泊するところは、何と呼ぶのか?これも当然、HOTEL:ホテルだ

混乱するので、これぐらいにしておこう。

 

にーちゃんが先頭になってBARへと階段を降りる

薄暗い店内で数人が酒を飲んでいるのが見えた。

 

4460はビール。にーちゃんは、ウイスキー コーク

とりあえず、乾杯

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: InkedIMG_10772_LI-1-1024x768.jpg

この出会いにより、宝石探しに急展開が起きることを 4460はまだ知らない…。

 

次回は、にーちゃんの正体が明らかになる。

今日はここまで

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.19

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-14.png

  • 電動リキシャ運転手 チェキヲさんと何処へ行く?

ジャル マハールの湖畔に腰掛けて、

サモサ バオを頬張ったら、おなかも少し落ち着いた。

 

さあ、チェキヲさん、何処に行こうか?

 

チェキヲさん『モンキーテンプルへ行ってみるか?』

…んっ⁉モンキーテンプル…。

 

急にピンクシティーとも丘陵要塞群とも関係なさそうなところが出てきたなあ。

猿がいっぱいいるんだ

そらそうでしょうよ、その名前なら…。

 

時間はたっぷりあるし、断る理由も全くない。

行こう、モンキーテンプル

 

  • 自称ガイド チェキヲさんと行ってみよう

またまた、ジャイプール市内を抜けていくこと30分…。

ポンコツ電動リキシャは、平地に戻ると遅い

あんなに峠の下りは速かったのに、やっぱり遅い…

 

突然、『ここから、モンキーテンプルだよ。』チェキヲさんが振り返る。

思っていたより立派な門を抜けて、お寺の参道へと進む。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0760-1024x768.jpg

門の中にも、早速、猿がいっぱいいる。

 

朝、アンベール城にいた猿とは、少し顔つきと体の大きさが違う。

 

むこうで遭遇した猿は、手足が細長く、顔に彫りの深さがあって

インドの俳優ような雰囲気だったが、ここの猿は、少し小さくて、まるっちい。

ニホンザルに似ているような気がする。

 

参道わきの売店から、袋詰めされたピーナッツを3袋持った少年が

笑顔でこちらへ向かってくる。

少年『ピーナッツ買っていかないと、猿に囲まれるよ』

えーっと…買って、持って行ったら囲まれるんじゃないの…。

少年『ピーナッツを撒いて、その場から離れたらいいんだよ』

なるほどね‼ 3袋、ください

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0746-1024x768.jpg

チェキヲさん、ちょっと待ってて。

モンキーテンプルの上まで行ってきます。

 

  • モンキーテンプルまで、また また、登山

モンキーテンプル、なかなかの坂道だ…。

早速、お猿のお出迎えだ。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0745-1024x768.jpg

お猿の向こうに通ってきた門が見える。結構立派な建物だったようだ。

 

お猿の脇にバナナの皮が落ちているところを見ると、

おなかがいっぱいなのか食べ物を欲しがらない

ここはあえて、スルーしよう

 

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0758-1024x768.jpg

次は、牛さんですか。

道の端にも寄ってくれてるし、ピーナッツって感じでもないよね…

 

スルーでお願いします。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0750-1024x768.jpg

次は、ヤギですね。その向こうに猿も見える。ヤギもピーナッツいらんよね

 

それにしても、動物多い。姫路セントラルパークやな…

 

そろそろお猿にピーナッツをあげるか…。

そう思って準備のためにカバンからピーナッツの袋を出した瞬間だった…。

斜め後ろから、2袋を強引にひったくられる。

一瞬の出来事で、猿にやられたっ!と思ったら、

インド人の子供だった。

 

こちらを向いて笑いながら、袋を開けておいしそうに食べだした…

 

あまりの衝撃に、4460 頭が真っ白になり言葉を失う

とりあえず、もう一袋もあげるよ…

 

結局、お猿さんにはピーナッツをあげることができなかったが、

囲まれることもなかったので、当初の目的は果たしたわけだから、

それはそれでいいのかもしれないが、とにかく衝撃的だった

 

  • 山頂の寺院にて

山頂に到着すると、見晴らしのいい場所に 小ぶりの寺院がある。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0755-1024x768.jpg

ここで、ノーマークだったスポット”モンキーテンプル”をググってみる。

あれっ⁉なんか微妙に違うな…。いや、絶対違うやろ!

 

チェキヲさん、確かにもいる。もある。だから、モンキーテンプル

間違いない

 

だけど、間違ってる…。

寝坊に加えて、勘違いまで…ガイド失格やで…

 

  • 気を取り直して、参拝

それがたとえ、モンキーテンプル ではなくても、

ここが姫路セントラルパークではなくても、このお寺に罪はない。

手を合わせて帰ろう。

 

靴を脱いで入場し、静かに手を合わせていると、

脇に立つ建物からこのお寺を管理しているという女性が現れた。

『お気持ちだけでも寄付を、子供たちに食事を…。』

そうだ、

今は、日本とインドに離れて住んでいるが、4460にも 2人の子供がいる

先ほど衝撃を受けたばかりじゃないか。

 

そっと寄付をすると、女性がお返しにヘナをしてくれるというので、

お願いをしてみることにした。

右手に描いてもらって、乾かすこと10分。

ぽろぽろとヘナを剥がすと皮膚にうっすら模様が転写されている。

2、3日するとより濃く鮮明になり、その後、7日程度で模様は消えるらしい。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0872-1024x668.jpg

日本でも、長期休暇を利用してヘナを楽しむ人が増えてきているらしい。

 

さあ、山を下りて、そろそろ ジャイプール市内に戻ろう。

次回は、ジャイプールで宝石を探す旅が始まる。

今日はここまで。

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.18

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-15.png

  • 電動リキシャ運転手 チェキヲさんと再会

ジャイガル要塞からの下り道をつたってアンベール城の脇を抜けて、

湖のほとりの駐車場まで戻ってきた。

 

時刻は、12時前。

早朝は、誰もいなかったこのスペースも、土産物やインドスナックを販売する露店、

観光にやってきたインド人グループで溢れかえっている。

 

声をかける人、かけられる人。絡む人、絡まれる人…。

 

みんなそれぞれ自由にやっている。

駐車場だけで、1万人ぐらいいるんじゃないかと感じる。

 

様子を見ているだけで、元気になる。…ような気がする。

 

突然、肩をたたかれる。

絡まれる人になったか?…

 

振り返えると、チェキオさんが申し訳なさそうに立っていた。

寝坊した?

チェキヲさん『起きれなかった…。』

…この時間、そうでしょうね…。

 

チェキヲさんとは、EP.07 で出会い

EP.10 で今日の旅路をサポートしてくれる約束をしていたが、

やっぱり、寝坊しやがった…。

 

まあ、インド人にはよくあることだ。

気にしないでここから一緒に行動することにしよう。

 

チェキオさん『アンベール城に行った?』

おいおい、行ったにきまってるやろ…。

 

  • 寝坊した チェキヲさんと一緒に ①

チェキオさんのボロボロの電動リキシャに乗り込んで、

先ずは、ジャル マハールへ行こう。

 

朝日が昇る景色が印象的だったが、建物自体は逆光でよく見えなかった。

じっくりと見てみたい。

 

行き先を伝えて、さあ、スタート。

すぐに峠を登り始めたがやっぱりチェキオさんの電動リキシャは、スピードが出ない

あかんのちゃうか、このポンコツ

 

おっ。あれは、ラクダちゃうか?

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0731-1024x768.jpg

電動リキシャが遅いから、iPhoneを慌てて出して構えても、

被写体として完全に捉えることができた。

 

ラクダって、正面からみると 結構 薄いんやね…

 

峠を登り切って下りになると、ポンコツが息を吹き返した

チェキオさんも調子が出てきたようで、前のめりになって 今までにない速さ

カーブを攻めていく。おい おい おい おい、バラバラになるぞ…

 

おっ。あれは、象 ちゃうか?

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_07322-1024x768.jpg

おいおい、スピードが出すぎて、被写体切れたやないか…

でも、体の大きい動物を見ると、4460、妙に盛り上がってしまう

 

  • 寝坊したチェキヲさんと一緒に ②

峠の下り。ポンコツは、最速だった…

電動リキシャの横に『藤〇豆腐店』とか書いてないやろな…。

 

アホなことを考えているうちに、左側からジャル マハールが見えてきた。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0734-768x1024.jpg

ああ~、そうか。

ブロッコリーみたいに見えていたのは、建物の屋上の木が見えてたんか…。

 

それにしても、朝と日中で表情が一変した。これは、夕日の時間もいいかもしれない。

ジャル マハールの湖岸にも観光客が増えてきた。

観光客が来るところには、露店も集まってくる。

 

4460は、小腹がすいてきたので、露店のスナック屋でサモサ バオを買い、

湖畔のベンチに座って食べることにする。

チェキヲさんも食べるか?…向こうで大きくうなずいている。

おっちゃん、サモサ バオ、2個ちょうだい。

おなかを満たしたら、チェキオさんと何処へ行こうか?

 

次回は、野性味あふれるモンキーテンプルへ

今日はここまで

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.17

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-16.png

  • チェキヲさん、お目覚め…

アンベール城の広場から太陽門をくぐって外に出た。

今朝、象に乗って 登ってきた 坂道をくだる。

 

早朝と比べると日が高くなり暑くなってきた。

そして何より、大量のインド人が繰り出してきている。

ここはインド屈指の観光地アンベール城。

インド人にも人気のスポットのようだ。

 

坂道を下り始めてすぐに、右に向かって枝分かれした 上り坂を見つける

どうもここがジャイガル要塞への入り口のようだ。

 

こちら側には人の気配がないところを見ると、

坂道を上がるこの道は、あまり人気がないようだ。

ふっと、携帯がブルブルしているのに気が付く。

 

日本人は、外にいても、騒がしくても、家族といても、

仕事中でも、プライベートでも、マナーモードにしている人が多いと思う。

4460も常にマナーモードにしている派だ

 

だが、インド人は違う

オフィスでも、会議中でも、映画館でも、飛行機でも、お構いなし。

派手な着信音をこれでもかと最大の音で聞かせてくれる…。

大きな意味での自己主張だろうか。

 

少し話が逸れた…。

 

着信に反応して出てみると、チェキオさんだった。

『どこにいる?』

 

今起きたんかいな…

 

アンベール城だと答えると『今から行きます…

あんた、遅刻した社員か…。

 

まず、目覚まし時計を買え…

 

  • 坂道がきつい

ジャイガル要塞へ向かい坂道を登り始めるが、これがなかなかきつい

前におじいちゃんが歩いてる。

負けていられない。追いつけ、追い越せだ!

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0707-576x1024.jpg

少しずつだが、目的のジャイガル要塞も近づいて

大きく見えてきているような気がする。

 

それにしても、ペットボトルを持ってきておいてよかった

見渡す範囲に、売店も給水ポイントもない…。

時期が時期ならインドのこの暑さで、死人が出るぞ

 

それにしても、この坂道。敵も攻めにくいけど、

交代勤務の度に、味方の兵もくたびれてしまうで…。

 

  • ジャイガル要塞

『列車で行くしかないでしょ』と言いつつ、今回の旅、結構 歩いてる

40を越えて肉体的な衰えを感じないでもない4460だが、

今回の旅、やっぱり 結構 歩いてる

 

息も少し上がり始めたが、ごまかしごまかし登っていると、

何とか要塞の入り口に辿り着いた。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0710-768x1024.jpg

簡素な門の内側は、赤茶けた外壁に囲まれ飾り気がない空間、

ここは、実戦的な要塞そのものだ。

 

かつて兵士が集合していたであろう広場に、

今は ゆったりと大きな日陰を抱えた古木が佇んでいる。

 

あの木陰で一休みしよう。

ちょうどいい場所を見つけた。

 

腰かけて水を飲み、しばらく涼むと呼吸も整ってきた。

そういえば、アンベール城から見えていた城壁はどこだろう?

あの稜線を縫うようにして築かれた城壁を高いところから眺めてみたい…。

 

腰を上げて、奥へと進んでいく。

中庭を抜けると前方に見張り台のように張り出したテラスが見える。

 

あそこかな?

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0723-768x1024.jpg

おおっ…

アンベール城が見える!

 

向こうから見えていたのは、ここだ!

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0714-1024x687.jpg

手前の稜線から、奥の山の峰をつたって右側の山へと連なる『ひと繋ぎの城壁』。

壮観やな…

 

山肌から吹き上げてくる風が気持ちいい

ここで、しばらくこの景色を眺めていたい。

 

  • そして、下山

登ってきたものは、下りないといけない…

単純だが、当たり前のことだ。

登るときは、辛く長いように感じたが、くだり始めると あっ という間だ。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0730-768x1024.jpg

見上げると、山上にドッシリと構えた要塞が見える。

粗野だからこそ、存在感がある

 

ふと想う。

アンベール城とジャイガル要塞、夫婦のように感じるのは、4460だけだろうか…。

 

そんなことを考えているうちに、下りの坂道も もう少し

 

観光客を乗せて歩く が見えてきた…。

やれやれ、なんとか戻ってきたよ。

 

次回は、電動リキシャ運転手 チェキヲさんとの再会。

今日はここまで。

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.16

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-17.png

  • 光と影

アンベール城を出るため、4460は、順路に沿って出口の案内の方向へと進んでいた。

 

この城の正面は、北を向いている。

先ほどまで、東からの朝日を浴びた明るいところにいたが、

出口に向かうための順路となる西側は 影になる。

 

きらきらしていたマハラジャの居住地と比べると何だか寂しい

ただでさえ堅牢で武骨なつくりであるのに加えて、兵士が働くエリアは、

採光や風通りを考えた窓も設置されていない。

 

あるのは、銃口を外に向けるための小さな穴だけだ。

 

早朝のアンベール城は、観光客も少なく快適に見て回ることができた。

だが、今、出口に向かう道には、4460以外、誰もいない。

高い塀に囲まれた西側を歩きながら、自分だけが城に取り残された…

そんな気持ちになる。

 

見上げると、先ほどまでと同じ青空が見える。

西側には、山の斜面と稜線にしっかりと朝の陽の光を浴びて

輪郭を強調したジャイガル要塞の城壁が見える。

 

早く、光の当たる場所に行こう。

 

  • 出たな… カメラマン

出口へとつながる順路を進んでいくと、建物の下を通る

トンネルのような場所が見えてきた。

 

薄暗いトンネルは、見たところ20mはあるだろうか…。

その先に、明るい出口が見えている。

そうか、西側をぐるっと回って、ライオン門前広場に出れるようだ。

出口までもう少しだ。

 

薄暗いトンネルに入っても、今回は影を歩いてきたので視界を奪われない

10mほど先に人影が見える。

壁にもたれていた人影は、こちらを確認すると背中を起こして

ゆっくりと近づいてきた

 

よく見ると象に乗っていたときEP.13に写真を撮ってきた カメラマンだ。

 

無視して通り過ぎようとすると、

半笑いで小さなアルバムを出して『フォト、4000ルピー

 

えっ。もう写真出来上がってるの?

しかもアルバム…。

4000ルピー、高すぎるやろ…

 

そうか、観光客は順路に沿って進むから、

ここで待ち構えていれば必ず戻ってくるというわけだ。

 

少し動揺したが、4000ルピーは無いで

無視して歩き続けるとトンネルの中をカメラマンも食い下がってついてくる。

『この写真とアルバムは、あなたのためだけに準備したんだ』

 

そらそうやろう…

 

40を過ぎたおっさんが象に乗っている写真を自分のためにアルバムにしてたら、

悪趣味もいいところや。

 

カメラマンを引き連れたままトンネルを抜ける。

明るい

ライオン門前広場に出た。

 

  • 4460 vs カメラマン

4460は、アンベール城に写真を4000ルピーで買うか買わないかの交渉をしに来たわけではない。穏便にあっちに行ってほしい。

それが正直な気持ちだ

しかし、この気持ち、カメラマンには伝わらない

 

『お前が写真を買わないと捨てることになる

 この写真は俺には価値がないんだから』

…よかった…

価値があったら逆に怖い…

 

こちらも言い返す。

 

勝手に写真を撮って現像してるだけだろ。

俺はオーダーしていない

 

カメラマン『お前がこの写真を買わないなら、費用をどうしてくれるんだ‼

 

どうしてくれるんだ…

それを言ってしまったらセールストークではなくて、脅しやんね…

 

そう思った直後、広場でのやり取りを見ていたインド人10人ほどが、

4460を助けに入ってきてくれた。

 

『お前は言い過ぎだ。しつこいから 日本人が困ってるじゃないか』

おおっ、インド人優しい…

 

カメラマン『オレの仕事を邪魔するな。日本人なんだから4000ルピーで買うべきだ』

悪質やん…

 

ふっと、形勢を逆転するアイデアが浮かんだ。

 

4460は、チェキをカバンから取り出しカメラマンに向けて撮影

 

何が起きているのか理解できず黙っているカメラマンと応援してくれるインド人。

本体から排出されたフィルムを黙って軽くパタパタと振りながら待っていると、

ゆっくりとカメラマンがフィルムに染み出てきた

 

4460は、それをカメラマンに差し出して一言『写真、4000ルピー

 

お互い、勝手に写真を撮りあったんだから、同じやろ

 

  • カメラマンとの示談成立

応援団インド人から にわかに起きる歓声と拍手。

4460も、写真を突き出し、さらに一歩前に進んで『さあ、写真4000ルピー』。

 

カメラマン『……。』何も言えなくなる。

 

勝った…

 

応援団の1人が、『これは、お互い交換だな』と示談案を提示してくれた。

あんなにしつこかったカメラマンが応じるだろうか。

 

ふっと彼を見ると観念してアルバムを差し出している。

4460もチェキ写真を差しだす。

 

示談の成立だ

 

嗚呼。チェキスクエア― そして、富士フィルム ありがとう。

株でも買おうかな…。

 

握手の代わりに軽いグータッチをして、カメラマンと別れる。

応援インド人も解散だ

 

何だか疲れた…

 

ふと気付くと、また新たに 象に乗って外国人がやってくる

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0703-768x1024.jpg

カメラマンには、気を付けろ…

静かにつぶやいて、アンベール城を離れることにした。

 

…そっとアルバムを開けてみる。結構いい写真やん

やるな、カメラマン…。

 

次回は、 ジャイガル要塞 へと続く登山道へ。

今日はここまで。