インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.02
- 寝台列車の車内にて
人生初のインド寝台特急。
勝手に一人で盛り上がってる4460を尻目に、乗車したBorivaliの駅を過ぎると、
今まで明るかった車内のあちこちで、部分的な消灯が始まった。
どうも、手元のスイッチで照明調整が可能なようで、スマホも充電できる様子。
動画を見たり、音楽を聴いたり。寝る前のリラックスタイムの始まりだ。
20:30 みんな、それぞれが寝る準備を始める。
毛布を持ち込んでいる人、寝袋の人、さすが寝台列車。寝るための準備がすごい。4460…。少し準備が甘かったか⁉
フリースを1枚持ってきている。
寝るときは、これを着込んで仮眠しよう…。
21:00
まだ横になるような時間でもないので、バックパックを置いて貴重品だけ持ち、
寝台列車の中をうろうろと探索してみる。
『A1』グレード客室
スリーパータイプで向かい合う2段ベットの4席で1セット。
扉で仕切られ部屋になっている。グループならメチャクチャいいやん。
インド人と3対1になったら、逆に厳しいな…。
この旅で、1度だけ『A1』予約を入れている。
どうなるのか少し楽しみだ。
トイレ
A、Bグレードの車両には、洋式とインド式がそれぞれ設置されている。
わりと清潔感のあるトイレを完備。この上ない安心感…。
これなら何時間乗っても大丈夫だ。
チャイ ワラのおっさん
『チャイ・チャイ・チャ~イ』と独特のリズムとええ声で、
ヤカンと紙コップを持って定期的にやってくる。
吸い込まれるように注文して飲んでしまうから不思議。
列車の扉
基本的に開いたまま。開いたまま寝るの…。
ええんかそれで…⁉と思うが、いいらしい。
A1グレードの乗客以外は、内ドアがないので、風を嫌って自主的に閉めている。
酒の車内販売
インド列車は、基本的に車内禁酒。事前に調べていたが、ほんとのようだ…。
当然、待っていてもチャイ ワラのように ビールの車内販売はやってこない。
ところが、たとえ車内禁酒であっても、何処の国にもやっぱりいる…。
スリーパー席の2階では、インド人がタオルで隠してウイスキーを飲んでいる…。
4460も、冷えた缶ビール 3本、隠し持ってきてよかったー。
いろいろ探索、確認してみたが、どうもインド寝台列車。
快適に過ごせて、十分 寝れそうだ。席に戻って『深夜特急』でも読みながら、
『隠しビール』を飲んで眠気がやってくるのを待とう。
- 突然の休憩 そして、夜食
『深夜特急』大人になってから読んでも、やっぱり面白い。
少し疲れを感じていても、”やめどき”が分からなくなる…。
01:00
真っ暗な線路を走っていても、駅を通り過ぎると パッ と手元が明るくなる。
そのたびに、顔を上げて外を見ると深夜でもホームに座ってる人がいる…。
家に帰らないで大丈夫なんか…?改札もないから、駅に住んでるんかな…。
ゆったりとそんなことを考えながら、夜の闇の中を列車が進む。
ゆっくりと眠気がやってきて…やっとウトウトしかけた時、
ブレーキの抵抗で目が覚める。
駅に止まるようだ…。
2:20
ゆっくりとホームに列車が滑り込み、駅の灯で車内が照らされる。
何人か列車に乗り慣れた感じのインド人が、手際よく身支度を整え始める。
どうやら、数人が降りるようだ。 でも、こんな夜中に。ここで?
身支度中のインド人に、降りるのか?と尋ねてみると、
この駅には、『20分止まるよ。ちょっと休憩。』って言っている。
みんな、外の空気を吸って、手足を伸ばす準備をしているらしい。
列車がもうすぐ停止する…。
待ちきれないインド人は、止まる前から降りてる…。
その数秒で何が変わるんや。
4460も外へ出てみる。
夜になって少しだけ下がった気温の分だけ、少し湿度が上がった気がした。
おっ。売店あるやん。
いい におい…。
ワダ バオを食べよう!
旨い…
午前2時を過ぎてるけど、40歳超えてるけど、太るかもしれんけど、食べよ…。
青唐辛子の素揚げ 塩味も おいしいねん。
食べよ…。
さすがインド寝台列車。
予想外の時間帯に炭水化物を強引に大量摂取。
この後、快適に睡眠に入っていけたのは、夜食のおかげかもしれない…。
- そして夜明けがやってきた。
ふっと目が覚めると、車窓に朝日が見える。
こんなにも建物がないところで朝日が見れると思っていなかった。
いきなり、ちょっと感動。
向かいの席のおじさんも、静かに朝日を見ながら胸に手を当てていた。
国籍や文化は違っても、感じるところは同じというやつか…。
ジャイプールまではもう少し。もう一度 目を閉じて横になり、まどろむことにした。
次回は、いよいよ ピンクシティー ジャイプールに
今日はここまで。