インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.09
- 夕日のパトリカ門
チェキヲさんが運転する ゆっくりと走る電動リキシャは、西に向かっている。
傾きかけた太陽に向かって進んでいるので、どちらを向いているのかよくわかる。
正面に大きなパステルピンクの建物が見えてきた。おそらくあれが、パトリカ門だ。
あれがそうかな? チェキヲさんに尋ねると大きくうなずいた。
遂に到着するようだ。陽光も角度が変わり ちょうど夕日らしくなってきた。
パステルピンク「明るく淡いピンク色」
。淡い色ということと明るい雰囲気であることが基本的な特徴。
電動リキシャでゆっくりと近づいていくが、
この門は、本当にパステルピンクなのか?
ピンクにも いろいろある。
ローズピンクにマゼンタ、フラミンゴ、カーネーション、ウルトラピンク…。
確かにこの建物は、パッと見はパステルピンク。
だけど、ローズクオーツ、ベビーピンク、ベージュピンクなど、同系色で装飾されている。
色の厚みを目から感じる。
一色でベタ塗だった ハワーマハールとは、一味違う。
- 門の中へ
門の内壁には、草木や自然をモチーフにしたパターン装飾や人物や神様の絵など色彩豊かだ。テーマは、ジャイプールの歴史そのものを描いているそうだ。
その装飾は、統一されたパステルカラーの同系色によって 天井まで続いている。
おおっ。けっこう 手が込んでいる…
- 夕日のあたる向こう側へ。
門をくぐり西側に出ると、そこは公園の入り口広場になっていた。家族連れや若いインド人グループが写真を撮ったりしながら、ゆったりと過ごしている。
夕日が、パトリカ門に少しオレンジの差し色を加えながら、
はっきりとした陰影を与えている。
表と裏でずいぶん雰囲気も色も変わる。表側に朝日が当たるのを見てもいいかもしれない。
4460は、 露店でチャイをたのみ ベンチに腰掛けてゆっくりと口にする。
熱っ!
夕日に照らされたパトリカ門をじっと眺めている。
落ち着いた静かな気持ちになったところで 腰を上げ、チェキヲさんを探す。
そろそろ今夜の宿へ移動しよう。
- 日没までの約束
EP.07から登場した電動リキシャの運転手 チェキヲさんとは、日没までの約束だ。
約束の内容は、チェキの生写真がどうしても欲しいチェキオさんが、日没までの市内観光をすべてタダでサポートすることを代償に、チェキの生写真を手に入れるというものである。
しかし、市内を走り回ってくれた結果、その約束の日没も もうすぐだ。
パトリカ門に満足した4460は、チェキヲさんに聞いてみる。
ここから、有料でいいから宿泊ホテルまで行こう。
チェキヲさん『今日は、すべてタダでいいよ』
…エッ?いらんの?…
『その代わり 明日、アンベール城のガイドをやらしてほしい』
おおっなるほど。明日のための先行投資やったんか…。
やはり、なかなかの策士。
よし分かった。明日もチェキヲさんと一緒に観光しよう。
とりあえず2人で、今日の宿に移動しよう。
次回は、ホテルでまさかの緊急事態 発生。
今日はここまで。