インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.13
- 早朝のアンベール城へやってきた
ここまで快走してくれた 電動リキシャの運転手 POMAとは、ここでお別れ。
POMAの狙いが外れて、4460がまさかの奇跡でぴったり持っていた440ルピーを払ってもよかったが、肌寒い早朝にフリースを着込んで快走し、ジャル マハールにも案内してくれたので、勝手な予測だが彼が希望しているはずの500ルピーを払う。
POMA『ジャル マハールに停まったから、600ルピー』あっさりかわされる…。
上には上がいる…。
440ルピーが500ルピーになったのに、お礼も言わずに600ルピーを要求…。
インド人、鋼の精神力だ…。
軽く500ルピーであしらって、お別れすることにした。
- 象との出会い
今回、アンベール城への入城は、どうしても象に乗っていきたいと考えていた。
大きな象の背中に乗って、ゆっくりと高い視線から景色を眺め、坂を登り、門をくぐる。これが4460の希望だ。
すべては、マハラジャの気分を味わうためだ。
時刻は、7:45。インド人観光客は、まだ、数えるぐらいしかいない。
今のうちにエレファント ライドのスタート地点へと急ぐ。
あっ。象がいた。
象使いの男『すぐ乗れるよ。お前は、今日一番目の客だ。』『1100ルピー』
おっと。
結構な料金を取るのね。ネズミホテルよりも、チェキヲさんよりも、POMAよりも、エレファント ライドの象が 最も料金が高い。当たり前のようで 厳しい現実。
でも、乗り越えないと…。
象に乗りますっ。
- 象に揺られて
混み合っている時なら二人乗りのようだが、今回は、一人旅。
象の背中にもお一人様だ。
ゆっくり歩く象の肩甲骨の動きが、思ったよりもダイナミックな動きをしている。
象の背中に触れてみる。
ゲジゲジで腰のしっかりした毛がもっさり生えているが、手のひらで触ると、
その向こうから確かな体温が伝わってくる。温かい。
改めて…象って大きい…。
歩いて登れば、坂の外壁は背丈よりも高く外を見ることはできない。
だけどここは、象の背中のうえ。
壁の向こうも悠々と見渡すことができる。快晴で なかなかの景色だ。
嗚呼、いい気分。これが、マハラジャ…。
パシャ!パシャ、パシャ!
象の足元にいつの間にか インド人カメラマン。
いい気分で象に揺られてるのに、勝手に写真を撮るな。
カメラマン『両手を挙げてポーズをとって~』
待て待て。
40を越えたおっさんが、象の背中で両手を挙げて わ~い‼って…、やるかいっ‼
人がせっかくマハラジャに思いを巡らせているのに邪魔をするな。
あっちに行ってくれ。
カメラマン『写真は、アルバム4000ルピー。データ付きなら6000ルピー。』
勘弁してくれ…。
せっかくのエレファント ライドを台無しにする気か。ありえない。
象さん、彼をプチっと踏んずけてくれ…。
最後の手段、完全無視。
彼の声は、4460には届かない。
カメラマンは、相手にしなくなった私を黙って静かに激写し続ける…。
しかしこれが、この後の激闘の火種になることを、
そしてチェキが4460を助けてくれることをまだ知る由もなかった…。
次回は、アンベール城内部を探検だ。
今日はここまで。