インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.26
- 日没
16:30 ジョードプル到着まであと2時間余り。
静かな車内で深夜特急を読んでいる。眠気を感じ 目を閉じる。
少し寝てもいいかな…。
17:45 ふっと目が覚めると、窓の外に夕日が見える。
一時間ほど眠っていたらしい…。
18:25 少し早いと思うが、乗客が降りる準備を始める。
インド列車 スリーパーの客車には、それぞれ前後に一対しかドアが付いていない。
目的地の手前になるといち早く降りたい乗客は、
ドアから客車内の通路にかけて長い列を作って停車を待つ。
ドアの先頭付近にいるインド人は、半分、身体を乗り出して待機し、
停車前に飛び降りるつもりだ。
4460も負けじと荷物をまとめ、インド人の列に加わることにした。
前のドアは、開いている。
『押すなよ~。絶対に押すなよ~』
頭の中に何処からか”ダチ〇ウ俱楽部”の声が聞こえてくる。
これは『押せ!』の合図ではないと信じる…。
シャレにならない…。
- ジョードプル駅、到着
18:30 時間通りにジャイプール到着。
まさかの時間通り…インドの奇跡…。
しかし、日没の時間がすっかり早くなってしまった。
もう、あたりは真っ暗だ…。
ジョードプルは、ラジャスタン州の中核都市に位置付けられており、
駅も比較的大きい。暗くなっていても、灯に照らされたホームには、十分すぎるぐらい人の気配を感じることができる。
遂に、2番目の目的地にやってきた。
陸橋を渡って、駅舎に入る。やっぱり改札はなく、駅の外まですんなりだ。
駅の外に出ると、やっぱりリキシャ運転手の客引き攻撃の的にされる。
しかし、今回は心に決めていることがある。
ジャイプールでそうだったように、到着地でいきなりリキシャに乗って目的地へ行ってしまうと、土地勘を掴むのに時間がかかってしまう。
ジョードプルでは、宿泊するホテルまで絶対に歩いていく!
そう決めていた。
乗らないよ。
群がるリキシャ運転手に言い残して、宿へ向かって歩き始める。
- メヘランガールの城下町へ
今夜の宿は、ジャイプール駅から徒歩45分のメヘランガール城の城下町、旧市街に位置している。歩いて向かうために、グーグルマップで調べてみると、細い道が入り組んだその先を示している。特に急ぐ理由もないので、旧市街の狭い路地をゆっくり歩いて楽しむことにした。
それにしても、陽が暮れたばかりのこの時間帯は、とにかく、何処からか沸き出てきたインド人によって密度が上昇する。細い道からインド人が溢れてくる。
前方に、見慣れたムンバイと同じカラーリングのリキシャが停まっている。
んっ⁉なんかおかしい…。
えらい細くない…。
やっぱりっ!
ほらっ!幅が全然違う!
祖先(ルーツ)が同じでも、
育つ環境が異なることで独自の進化を遂げたに違いない…。
リキシャ進化論。学術的に価値はあるだろうか。
おそらく無いだろうな…。
アホなことを考え、細リキシャに轢かれそうになりながら歩いていると、
今日の宿泊先が見えてきた。
やっぱり歩いてみるのも悪くない。
次回は、真っ暗のメヘランガール城を見ながら…。
今日はここまで。