インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.28
- 早朝のジョードプル
目覚ましが鳴りだす前に目が覚める。
時刻は、4:55。
素早く身支度を整えて、バックパックに荷物を詰め込む。
今日の午後には、列車に乗ってジャイサルメールへ移動するので、
親戚のおばちゃんの家風のこのホテルには、1泊だけの宿泊となる。
忘れ物がないようにしないといけない。
昨夜、女将さんに早朝5時半にチェックアウトすると伝えると、
『自由に出て行っていいよ』と言われた。
そういえば、チェックインの時も何の手続きもしていない…。
ほんとにここは、ホテルなのか?
ホテルの扉を物音を立てないように、ゆっくりと開閉して外に出る。
少し空気が冷たい。
ジャイプールよりも西へやってきたが、朝は特に、気温も湿度も下がったと感じる。
メインゲートを開けると、子犬が走り寄ってくる。
インドの野良犬は、基本的には夜行性で、この暗い早朝は、まだまだ元気に活動する時間帯だ。母親らしき成犬が近づいてきて靴のにおいを嗅いでいる。
怒るかな、と思ったが、両足の間を通ってメインゲートの中に入って、
ゆっくり寝そべった。
どうやら、合格らしい。
ゲートは開けたままにしておこう。
- 時計台へ
ホテル前の道は、メヘランガール城と時計台のある市場を結ぶ旧市街のメインストリートとなる。メインストリートと言えばかっこよく聞こえるが、道幅4mほどの狭い通りだ。
細かく枝分かれする路地を覗くと、青い建物がちらほらと見える。
今すぐ路地に迷い込んで、ブルーシティーに触れてみたい誘惑に負けそうになるが、
今ではない。
今はまず、夜明けの時計台を目指そう。
右側に立派な寺院が見えてきた。
朝早くから、サリーで正装した女性が連れ立って参拝している。
それにしても、こんな早朝から?
こんなにたくさんの人が?
不思議に感じて尋ねてみると『ディワリの特別なプジャだよ』と教えてくれた。
プジャとは、インドのお祈り、神事、祭事など広い範囲で使われる言葉だ。
ディワリは、インド歴でいう日本のお正月にあたる祭事だ。
年間を通しても、インド人にとって最も重要なイベントではないかと思う。
そして、ムンバイの市街地よりも地方へ行くほうが、その思い入れと
伝統文化へのこだわりが強いと感じる。
再びメインストリートを進んでいく。
しばらくすると、正面から朝日の気配を感じはじめた。
今日も快晴。いい天気が続いている。
突然、ふっと視界が広がる。
そこは、ジョードプル駅から続く新市街地のメインストリートと旧市街のメインストリートが重なる大きな交差点。左を向くと時計台のある市場へとつながる。
日の出前に、なんとか到着できた。
市場に入る立派な門の向こうに、時計台が見えている。時刻は6:30だ。
やっぱり、ワンピースの時計台に似ている…。
- メヘランガール城と時計台
早朝の市場は、ほとんど人がいなかった。
店舗も、露店もまだ仕事をする気は無いらしい。
時計台のほうへ進んでいくと急に視界が広がり、左からメヘランガール城が現れた。
デカい…。圧倒的存在感だ。
このロケーション、左手を突き上げる アレ をやるしかないでしょう。
次回は、寄せ集めの海賊団、結成…。
今日はここまで。