インドを旅する駐在員

1978年 生まれのサラリーマン。2015年からインド ムンバイに在住。国内外問わず とにかく ビール と 旅 が大好き。  最近、白髪が増えてきた…

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.39

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  • ホテルのテラスで朝食をとりながら

10:20ジャイサルメール城を出て一旦ホテルに戻ることにする。

 

ホテルで荷物をまとめてチェックアウトを済ませたら、

テラスに上がって遅めの朝食をとるためだ。

 

今日は、ジャイサルメール駅を14:00に出発する列車に乗って、

19:55ジョードプルへ再び戻る計画にしている。

 

この予定をタイトすぎて余裕がないと感じる人もいるかもしれないが、

今回は、列車に乗って旅をすること自体が、4460の目的であるし、

むしろ、列車に乗っているという行為自体を楽しんでいるので、苦にはならない

 

限りなく自由な時間を目的もなく訪れた街で過ごすぐらいなら、

列車の時刻表の隙間に見つけた限られた時間を最大限活用することに集中するのも

一興だと思っている。

 

ホテルのテラスで、マサラオムレツ 2セットをトーストに挟んで頬張りながら、

前半を走り終えたこの旅の完走を静かに祈る…

そして、インドコーヒーで流し込む…。

  • ハベリ(Haveli)への道のり

目的のハベリまでは、

ジャイサルメールの城下町の路地をいくつも抜けていかないと辿り着かない。

 

今は、グーグルマップなどのツールが発達したおかげで、

目的地までの経路を最短で検索できるようになったが、

ちょっとそれでは味気ないと感じているところもある。

 

迷ったり、遠回りして、例えば、向こうからやってくる白シャツのインド人に

道を尋ねて辿り着くのも面白い。

ただ、インド人に道を尋ねるの時は、注意したほうがいい…。

彼らは本能的に『ノー』や『知らない』と答えることを極端に嫌う

 

それは、たとえば相手にとって混乱を招く回答であっても、

知っているかのように振舞ってしまう。

 

それをインド人の根本にあるできる限りの親切心からそうしてしまうのだ

という人もいるが、4460は少し違うと思う

彼らは、口頭ではそれらしく答えているが、明らかにそのしぐさで

ほんとは知りません』というサインをかなりの確率で出している

と、考えているからだ。

 

それを見極めるのは、顔の振り方だ。

 

インド人は、『OK、間違いない』という場面で、

鼻を中心に顔を10時から2時の角度で器用に数回揺らす。

 

それは、自信があるときほど、相手と目を合わせたまま揺れるスピードが速く、

時間も短い

 

しかし、自信がない時は、目を合わさずに少し下を向いて

悟ってくれ』と言わんばかりにゆっくりと長く振ってくる

 

このシグナルを見つけた時は、かなりの確率で

いい加減な答え』をしている確率が高い。

 

本能で言ってしまったことを理性で否定し、

逆のサインを出すことで、相手に悟ってほしいのだ。

このサインを見逃してはいけない…

 

熱く語ってきたが、これは、4460の私見であり、何の根拠もない話である…

 

本題に戻ろう。

 

・ハベリ(Haveli)に到着

その辺のインド人に教わった狭い路地を大きな期待をしないように進むと、

急に視界が広がる。

 

反射的に右を見ると、暗い通路の奥に砂岩彫刻の塊が見える。

道案内は間違いなかったようだ…

ここが、ハベリか…

通路を抜けると、空気が一変する。

 

規則的に並ぶ柱の上に、道の上まで張り出す飾り出窓。

 

それぞれの建物が道を挟んで向かい合っているはずなのに、

地面から上では、空が見えなくなるぐらい胸を張りあって、

まるで真直ぐに建っていないような不思議な感覚になる。

また、先ほど見てきたジャイナ教寺院の砂岩彫刻の影響を、この建物も少なからず

受けていることを感じる。

それにしても、寺院に負けず劣らず繊細で手の込んだ彫刻がびっしりと並ぶ…。

人を惹き付ける建物と彫刻を手作業で完成させた職人さん。気が遠くなる…すごい。

交易で得た富を宅建設に投資してくれた大富豪

あんたらもすごい…。

  • 残り2時間、どうする?

11:50。列車の発車時刻まで2時間ほど残っている

ムンバイを出発したころは、まだ、日本人らしくできれば30分前、最悪でも15分前に駅に着いて、ホームや車両位置など気になるところを事前確認したい気持ちが大きかったが、旅の前半戦を終えてなんとかなるだろの気持ちがどんどん大きくなってきてしまった。

 

インド人化が急速に進んでいるようで、少し心配になる…

 

時間はあるジャイサルメールの市場を通って、

街のオアシス、ガディサール湖まで歩いて行こう。

どの街に行っても市場を見るのは楽しい。人も多くて活気がある。

八百屋、スパイス屋、シュガーケーンのジュース屋、金物屋、鍵屋、刃物屋、箒屋、⁇

 

ほうき屋…。専門店を始めて見た…。塵取りはセットじゃないんや…。これまでコンビで頑張ってきたのに、相方がピン芸人になったような寂しさを覚える…。

 

  • 砂漠のオアシス、ガディサール湖へ

ガディサール湖は、かつての王がこの湖を発見し貴重な水資源として活用したことで

街が発展したとされている。

おおっ。湖畔に吹く風が気持ちいい

この水辺の風景は、砂漠のジャイサルメールであることを忘れさせてくれる。

ここにも砂岩でできた建造物が残っていて、街の雰囲気、統一感がえぐい

ボートにも乗れるらしい…。

あんなにたくさんで乗ってる…。一人では乗りにくいなぁ…。

オーッ‼』大きい声を出すボートに乗ったインド人。

みんなで右手突き上げてる!

ライフジャケット着て 『オーッ‼』 。

観光ボートじゃなくて、ラフティングになってる…

 

転覆しませんように…。

 

13:30。そろそろ駅に戻ろう。

 

次回は、ジャイサルメールから再びジョードプルへ移動する。

今日はここまで。

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.38

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ジャイサルメール城内で建物が密接して立ち並ぶ路地を時計回りにすり抜けていくと、丁寧で繊細な砂岩彫刻が印象的な外観を持つジャイナ教寺院が見えてくる。

ジャイナ教とは、マハービーラ(前6~前5世紀)を祖師と仰ぎ,特にアヒンサー(生きものを傷つけぬこと。〈不殺生〉)の誓戒を遵守するなどその徹底した苦行・禁欲主義をもって知られるインド独自の宗教である。主に商人の間で広がり国内に深く根を下ろしたことで,およそ2500年の長い期間にわたりインド文化の諸方面に影響を与え続けている。異教徒との婚姻を認めていないため、ジャイナ教同士が夫婦とならない限り信者であり続けることも、信者を増やすこともできない。そのため近年では、信徒数が減少し続けわずかになってしまったが、インド国内では無視できない勢力を保っている。

 

前述のような、学校の勉強のようなお話をガイドオジサンが

約1時間かけて丁寧に解説してくれる。

ここでもやっぱり入場料は、アーダールカードでインド人価格で50ルピー。

外国人なら200ルピーだ。

アーダール最強…。

ガイドオジサンは、基本的にはボランティアだが、満足度に応じたドネーション(寄付)を求められるので、500~1000ルピーと考えておくのがいいかと思う。

 

寺院の中は、ジャイナ教にまつわる繊細な砂岩彫刻で隙間なく覆われている。

 

デジタルカメラという技術で、画像としてこんなにも鮮明に残せる時代になったことに感謝しつつ、圧倒的な手掘り彫刻の量がもたらす迫力を言葉では表現しきれない4460の語彙力の無さを痛感する。

 

ぜひ、画像から感じ取ってもらいたいと思う。

寺院の見学が終わって外に出ると、妙に喉が渇いて疲れを感じる

 

寺院の中へは、水分の持ち込みが厳しく禁止されているため、

ツアー中も水分補給ができなかったこともあると思うが、

圧倒的な砂岩彫刻を前に呼吸が乱れてしまったのかもしれない…

 

  • 生活エリアを通って城外へ

ジャイナ教寺院を過ぎても、止まらずに城壁内を時計回りに進んでいく。

やがて、城の中で暮らす方の生活エリアに入っていく…。

建物の中から聞こえる話し声やテレビの音、洗濯物、

インド料理のスパイスの香り、路地から走り出してくる子供たちや、

犬、牛...

城の中で暮らすインド人の生活を感じる

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時計回りで城壁内を一周すると、中央の広場まで戻ってきた。

そろそろホテルに戻って朝食を食べよう

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狭い坂道をくだり、門をいくつもくぐって城の外に出るころには、

太陽は十分に登っていた。

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明るくなった城壁内に早朝のサリー集団の姿を見ることは 、

もうなかった…

次回は、交易で栄華を極めた大商人が残した

荘厳な大邸宅ハベリ(Haveli)周辺を探索。

今日はここまで。

 

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.37

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4:50。今日もやっぱり、目覚ましが鳴る前に目が覚める

伸びをすると身体の硬さが抜けて、体力が十分回復していることを感じる。

 

昨夜は、Tシャツに短パンの薄着で寝たが、知らないうちに気温が下がっていて、

朝になると掛布団の下にしっかり潜り込み、そのままくるまって寝ていた。

ベットから出ると空気がひんやりしていて布団の中が恋しくなる。

 

不意に、日本の冬の朝が 思い出される

 

そういえば、インドに来てからすっかり、

寒さを感じることが少なくなってしまった…。

 

身支度をして、5:30にはジャイサルメール城に上がろう。

この気温なら、今朝はフリースを1枚羽織っていくほうがよさそうだ。

日の出は、馴染みのカフェでインドコーヒーを飲みながら見ることに決めている。

 

カーテンを開けると、まだ日の出までは時間がありそうだが、

昨夜の漆黒の空は、雲一つなく、夜明けに向けて濃い藍色に変わり始めている。

やっぱり今日も晴れだ…。

 

ジャイサルメール城の入口は、1か所のみ

 

警護の意味でも当然だが、4460の宿泊したホテル北側の位置からは、ちょうど反対側の南側となるため、城壁に沿って時計回りに進んでいくことにする。

 

早朝の商店前には、牛がたくさんいる。神様の使いとして大事にされているので人慣れしていておとなしいが、この大きさで犬と同じスピードで動くとかなりの脅威になることは間違いない。

牛に突進されないことを祈りつつ、脇を通り抜ける。

牛のほうも、脚は動かさずに首だけ振ってこちらの様子をうかがっているようだ。

 

ゆっくり歩いていくと、唯一の入城門が見えてきた。

この狭い門の向こう側に城内へとつながる坂道が続いている。

 

日も出ていない早朝から、何だか人が多いように感じる。

 

  • 違和感の正体

城内の狭い坂道を進むと、細かく門を設置し、仕切られた空間を故意に作っているのがわかる。今は門が解放されているので、自由に行き来することができるが、敵が攻めてきたときは門を閉めて、狭い空間に閉じ込めて撃退していたのだろう。

 

それにしても、朝から人が多い。

門を抜けると、さらに人が増えた。

 

でも何か感じる違和感…。

 

そうか、よく見たらサリーや民族衣装で着飾った女性が多いんや…

見える範囲だけでも、男性の数が圧倒的に少ない…。

 

そういえば、EP.28のジョードプルでもサリーで正装した女性が、早朝から寺院でディワリの特別なプジャに参加していた。

どうしても確かめたくなって、前から歩いてくるサリー姿の女性に尋ねてみると『早朝だけのディワリの特別なプジャだよ』と答えてくれる。

 

やっぱり…。

この古城でディワリ時期の早朝にしか見られないサリー集団…。

早朝のジャイサルメール城の雰囲気も相まって、

中世のインドを覗いたようなそんな気がした…。

 

  • 馴染みのカフェへ

最後の門を抜けると、かつてのマハラジャや、今でも城内に暮らす人たちの

居住区エリアに入る。

空が明るくなってきた。夜明けが近い。

日の出は、広場を左に曲がった東側から市街地を望む砲撃台付近がおすすめだ。

そのわきに馴染みのカフェがある。

 

ここからは、夜は薄暗かった眼下に広がる砂岩でできたジャイサルメールの街が、

正面から登ってくる朝日に照らされて黄金色に変わり、

街がゴールデンシティーに戻っていく様子を見ることができる。

 

夕暮れ時は、広場をまっすぐ進んで西側を望むこちらも砲撃台付近が、

サンセットのおすすめポイントだ。

 

砲撃台には、今も大砲が据えられている。

これで向かってくる敵を退けていたのだろう…。

 

それにしても、そこのお二人。

今はもう大砲は打てないけど、そこに座るのは何となく危ないような気がする…。

隣のカフェで城壁側の席を確保し、インドコーヒーをオーダーする。

 

インドでブラックコーヒーを頼むときは、はっきりと砂糖なしを指定しないといけない。基本的には、色が黒ければブラックコーヒー、インドでは、砂糖たっぷりが基本スタイルだからだ。

店によっては、砂糖なしのブラックコーヒーでは物足りないだろうと、マサラを入れてくれる店もあるが、もはやコーヒーではなくなっている…。

インド人って自由だ

静かにコーヒーを飲みながら街を眺めていると、ゆっくりと朝日が昇り始める。

街に黄金色が戻り始めて、ゴールデンシティーの今日がまた始まる。

 

…今日もなんかいいことありそう…。

 

次回は、ジャイサルメール城壁内を時計回りに進みながら、

ジャイナ教寺院を探索する。

今日はここまで。

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.36

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列車を降りてホームを歩いていると、気温の低さに加えて夜風肌寒さをより一層感じさせる。さらに、夜風に舞い上がった砂が頬に当たる。

明らかにジョードプルとは雰囲気が変わった。

 

駅の外に出ると、またまた、ネオンで駅舎が輝いている

 

一体誰に向けたネオンライトなんやろ…、砂漠で流行ってんのかな?

それとも、砂漠で迷った人が、この光を頼りに帰ってくるのか?

…妄想を膨らませる…。

現実の世界で、このネオンに集まってきていたのは、

大勢のリキシャの運転手だった…。

 

4460に声をかけてくる大勢のリキシャ運転手の中から、

今夜は最も消極的な運転手を選んでみることにする。

 

声掛けの人垣の外側で、その場のノリで駅から出てきた外国人に寄ってきたものの

まさか自分が指名されるわけ無いだろう』と油断している運転手を逆指名すると、

どういう反応が起きるかを見るためだ。

 

ワーワーと4460にどこから来たんだ?どこに行くんだ?ホテルは予約してるのか?

とお決まりの大合唱の中、人混みの中に潜み、言葉を発さない無関心な男が混ざっていないかじっくり探す

 

いた…。ニット帽をかぶり『オレには関係ない』という顔で右を向いて黙っている

小倉久寛さん似の男、今回の逆指名に適任だ。

 

彼に乗せてもらうよ。

そういって右手で彼のほうを指差すと、人垣が真っ二つに割れて、

小倉sanが舞台の中央に引きずり出される

えっ、オレ?

授業中、先生に不意に当てられてしまった生徒のように、たじろぐ小倉san…

 

周りの『なんで?』『なんで小倉なん…?

質問ともブーイングともつかない騒ぎを振り払って、

彼の背を押してリキシャへとゆっくり向かう。

 

皆さん、なかなかいいリアクションをありがとう。

 

 

どうして自分が選ばれたのか

その疑問からくる不安が顔に出まくっている小倉sanに行き先を伝えると、

彼が知っているホテルだったようで、表情が安心感に包まれる

いったい何をさせられると思って不安になっていたのだろうか…。

 

小倉san『どうして俺は選ばれたんだ?

4460も適当な答えが見つからず、少し間をおいて答える。…

日本の叔父さんに似てたんだ…。ある意味『日本のオジサン』。嘘じゃない。

小倉san『そうか…』あれ?納得したんかいな…。

まあいいか。説明するのもめんどくさいし、先を急ごう。

 

ジャイサルメール城は、ジャイプールのアンベール城ジョードプルのメヘランガール城大きく異なることがある。

それは、今も人々の生活が城の中にあって、宿泊もできるし、食事もできる。

お土産を買うこともできるし、そこに住んでいる人の生活を垣間見ることもできる

。今も、活きている城だというところだ。

 

ここでは、入場料や見学のチケットが存在しない。

城塞は、特別な場所ではなく、生活の一部という考え方がよく伝わってくる。

 

以前、家族で城の内側に泊まった時に、城の内側にも、見下ろす城下町にも、

活きてる感じ生活がある感じを肌で感じることができた。

 

そのあたりが、好奇心を刺激され魅力を感じるところなのかもしれない…。

 

だから、今回のジャイサルメールでのホテル選びは、城下町側であることを条件として決めた。今度は、城を見上げて、活きている街を感じたい

 

駅を出て、15分程度で今日のホテルへと到着した。さすが、小倉san

少し寒そうにしている小倉Sanに、メーター表示から少し上乗せした料金を払って

礼を言うと、少し笑って、駅とは反対のほうに向かって走り去っていった。

 

もしかしたら小倉san、

駅で関心がなさそうにしてたのは、最終着の電車の乗客が全部掃けたら、仕事を終えたことにして、早く家に帰りたかっただけなのかもしれないな…。

 

ムンバイも8割ぐらいのリキシャは、メーターを使って走ってくれる。

リキシャ側にしてみれば、かつてのように客を値踏みして吹っ掛けることで荒稼ぎすることができなくなってしまったかもしれないが、乗る側にしてみれば、交渉なしの明瞭会計だから安心感が違うし、外国人だとリキシャ利用へのハードルそのものも下がることになる。

 

そんな中で、残り2割の癖の強いリキシャに当たらないかと心のどこかで期待してしまう4460は、もはや特殊なのかもしれない…。

 

本題に戻ろう。

 

  • ホテルの楽しみ方

今日の宿泊先は、2階建てのこじんまりしたホテルに1泊だけだが、

だからこそのジャイサルメールでのホテル選びの重要なポイントをもう1つ

 

それは、◎Roof Top レストラン&バー があることだ。

 

これがあることによって、ライトアップされたこんな景色を楽しみながら、

こんな感じで、ビールを楽しむことができるからだ。

朝でも、昼でも、夕方でも、夜でも楽しめる Roof Top レストラン&バー があることをホテル選びの際は、ぜひ確認してほしいと心から思う。

 

熱くなってしまった…。

 

明日は、早朝から城内に上がって、何度も利用している馴染みのカフェから日の出を待つことにしている。明日もきっと晴れる。妙な自信が4460にはあった…。

 

今夜もビールを適度に飲んで、早めに休もう

 

次回は、予想外のディワリ前プジャで、早朝からサリー集団に飲み込まれることに。

今日はここまで。

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.35

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  • 夕日に向かう車内にて

2時間遅れの列車に乗り込んだ4460は、時計を見つめる

目的地の終点ジャイサルメールへは、19:46到着予定だったが、

2時間遅れて21:46到着予定か…。

 

その時間から、初めて予約した宿を探しに夜の街を徒歩でうろうろするのは、

4460のようなおじさんにとって安全ではないように思える。

 

安全第一

到着したら、迷わずに宿までリキシャ、止む無し

 

ジョードプルから、西北西に位置するジャイサルメールに向かう列車は、

基本的には、夕日に向かって進んでいくため、今日の夕日は車窓から見えない

と思っていたが、駅を出てすぐの線路は、先ず真北に向かうため、

左の車窓からオレンジ色のきれいな夕陽を見ることができた。

 

2時間遅れも悪くない

 

静かな車内から夕日を眺めていると、

ジャイサルメールでの家族との思い出がじわっと湧き出してくる…。

 

実は、ジャイサルメールには、過去に2回車と飛行機で訪れたことがある。

1度目は、『家族との忘れられない旅』の一つで、4460が運転する車で訪れた

もともと計画していたジョードプル旅行の後半の予定をすべてキャンセル

家族全員で、本物の砂漠を求めてジョードプルからレンタカーで6時間の荒野を4460がぶっ通しで運転ジャイサルメールまでみんなで駆け抜けたことがある。

そして、『イージュー★ライダー』が流れる車内から、息子が急遽予約してくれた

趣のある城塞内のホテルに泊まり、ついでに、キャメル ツアーでヒトコブ ラクダに

乗って砂漠の旅まで楽しんだことがある。

 

忘れられない 砂漠の旅の思い出だ

 

2回目は、新型コロナで海外とのつながりを絶たれた2020年12月

第一波のインド国内感染者がひと段落したスキをついて、単身ジャイサルメールまで

飛行機に乗ってやってきた。

 

ツアー申込が、4460たった1人という状況のキャメル ツアーで、普段よりも特別に砂漠の奥の奥まで進み、音のない砂漠と満点の星空の下でガイドのターバン爺と二人、焚火キャンプした夜のことも『印象深いインド一人旅の思い出』だ。

 

そして、今回は『列車』に乗り込んで、再びジャイサルメールを目指している。

 

ジャイサルメールには、家族と過ごしたインド生活の思い出が凝縮されていて、

その風景に触れると鮮明に思い出せることが、この場所に足を向かせる理由の一つだ。

加えて、4460の好奇心を刺激し続ける何かがあるように思う。

要は、ジャイサルメールという街全体の雰囲気が好き…ということだ。

『ここが私のAnother Sky、ラジャスタン、ジャイサルメール…』

 

携帯に保存されている写真を眺めながら、回想に耽っていると強烈な眠気に襲われる。

 

携帯を落とさないようにジーンズのポケットに押し込み、

座ったまま少し眠ることにした…。

 

  • 強烈な揺れの連続、まさかの挽回策…?

誰かに身体を大きく揺すられるような感覚とともに、4460は、目を覚ました。

いつの間にかすっかり夕日が沈んでしまった車窓は、真っ暗な外が背景となり

鏡のようになって、明るい車内と寝ぼけた顔の4460を映し出している。

アホ面やなぁ…』自分で自分に突っ込む。

 

そういえば っと正面を見ると、読書おじさんが不安な顔をして、

読んでいるページを開いたままの右手で窓枠を押さえ、シートに左手をつき、

両手、両足、お尻の5点で体を安定しようとしている。

 

んっ⁉なんで…。

考える間もなく4460も左右の大きな揺れに頭を窓枠にぶつける。

痛い…。

 

寝ていて気付かなかったが、いつの間にか列車は、まっすぐ走っているはずなのに、

左右の大きな揺れを継続的に受けているようだ。

原因がわからない…

 

眠ってしまう前までの列車の様子からすると、列車自体に問題があったようには思えない。それでは、このあたりの線路の敷設状態が悪いのか?

アライメントが出ていないとか?

 

まさかっ⁉

この列車、2時間遅れを取り戻すつもりで、赤い彗星のように

3倍の速度を出して走ってるんちゃうやろか…。

 

まさかな…

 

それにしても、不安が募る継続的な『横揺れ』、15分に1回程度やってくる突発的な『縦揺れ』の組み合わせはからは、どうしても脱線をイメージしてしまう。

そういえば、インド国内ニュースを見ていても

数年に一度は、大きな列車脱線事故が報じられている

 

不安そうな4460の表情を見て、向かいの席の読書おじさんの表情も暗くなる。

この揺れってインドでは普通ですよね…?

わずかな希望を抱いて質問すると、

読書おじさん『私もこんな揺れは、始めて…。異常だと思う。

マジか…。不安になるやんか

 

運転手さん、挽回策なら要らない

遅れたままでいいから、安全第一でお願いします…

 

A1グレードの4人部屋 客室内。

日印2人のおじさんが同じことを祈るこの状況は、異常だ…。

 

  • 回想と不安の果てに

ずいぶん長い時間だった…。

実際に揺れがひどかったのは、1時間程度だったのかもしれない…。

それでも、小さな客室の中で読書おじさんと二人で過ごす不安な時間は、

果てしなく長いように感じた…。

 

少し、揺れが収まってきたA1客室内に安堵の雰囲気が漂うと、

お互い緊張した戦局を乗り超えた戦友のように感じ始めるから不思議だ

 

読書おじさんと年齢や出身、家族や仕事のことについて話が進む

4460はずっと気になっていたことを質問する。

何の本を読んでるんですか?

読書おじさん『海底2万マイル

おおっ、懐かしい…。

 

海底2万マイル:フランスの作家 ジュール=ベルヌ(1828〜1905年)によって発表された作品。潜水ノーチラス号とネモ艦長の謎と秘密に神秘と驚異の海中・海底の大世界を舞台に挑む 冒険SF大作だ。

幼少期に4460も想像を超える展開に、ドキドキしながら読んだものだ。

 

読書おじさん

子供の頃に読んだこの本を大人になった自分がどう感じるか、楽しみなんだ

 

わかるわぁ…。4460も深夜特急読んでるもん…。

 

読書おじさんとようやく気持ちが通じ合った頃に、列車はゆっくりと減速を始める

ジャイサルメールに到着するようだ。

 

読書おじさんに別れを告げると、

ところで、あなたは何の本を読んでいるんだ?

んー。難しい質問

深夜特急の直訳は、ミッドナイト エクスプレス

作者もタイトルの「深夜特急」を同名の映画Midnight Expressからの引用で、

脱獄」を意味する隠語として使用している。

読書おじさんは、日本の文庫『深夜特急』と映画『 Midnight Express

どちらを想像するだろうか。

 

悩んでも仕方ないので、本当のことを伝えよう

ミッドナイト エクスプレス /シンヤ・トッキュウ

読書おじさん『おおっ』伝わったのか、どうなのか…。

真相はわからない…

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時刻は、 予定通り2時間遅れて、21:48

挽回策は、失敗に終わったようだ…。

 

途中、揺れに揺れたが、この旅の目標地点に列車で到達した。

 

いつも画面越しにテレビで見ているだけで、実際に駅伝を走ったことはないが、

勝手に箱根駅伝の往路を完走したような気持ちになる。

 

往路、完全制覇…

 

そうだった、感慨に浸っている場合ではない。さっさとホテルに移動しよう…。

 

次回は、夜道をリキシャに乗ってジャイサルメール城下町へ。

今日はここまで。

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.34

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  • インド 列車 遅延…

ジョードプルの街歩きをしっかり堪能して、

13:50 余裕を持って1時間前に駅まで戻ってきた。

 

次の目的地ゴールデンシティー/ジャイサルメールを目指すためだ。

駅入り口の電光掲示板で、列車の予定時刻を確かめる。

 

んっ⁉14時台に来る列車ないやん…。

 

二度見どころではない。

三度も四度も手元の予約表と斜め上の電光掲示板を見比べる。

何か間違ったかな…?

 

ここまで時間通りに列車が来ていたこともあって、自分をまず疑う…。

4460、少し不安になる

 

いや待てよ…

ここはインドやで…遅延してるんちゃうかぁ?

4460、少し冷静になる。

 

よし、駅員に聞いてみよう。

…14:50発のジャイサルメール行きは、時間通りに来ますか?

 

駅員『予定通り、2時間遅れてきます。』おおっ。予定通り…。

2時間遅れ…。さすがインド。堂々たる返答をいただいた。

 

もう一度、2時間遅れであることを確認すると、

駅員『間違いなく、2時間遅れ。』はっきりと答えてくれる。

日本なら、ニュースになるレベルの事件だ。

 

駅員を信じて2時間遅れだとすると、今から3時間も駅で待つことになる。

何だかもったいない気がする。

 

そうだ、せっかくだから、駅から新市街を歩いて時計台まで行ってみよう。

きっとまた、面白い発見があるはずだ。

なんでもポジティブに前向きにとらえたほうが、旅を楽しめる

 

  • 新市街地から時計台へ

再び駅から外に出ると、今度は右側に向かって進む。

旧市街地は左側へ、新市街地は右側へ、歩いたおかげで土地勘もよくなってきた。

新市街地の商店は、ちょっと若者向けの服屋や雑貨屋、

また、最近のデジタル家電を窓際に置いた電化製品屋や、携帯ショップなどが並ぶ。

 

それに対して、八百屋やスパイス屋、金物屋に鍵屋などを並べた旧市街。

お互い異なる品揃え、そして狙っている客層も違う。

少なくともここは、4460よりも若い世代を対象としていると感じる。

 

だって、学ラン 売ってるもん。???なんで???

右のもそうやっ!

ジョードプルでは、若い世代に学ランが流行ってるんかな…。

 

4460の高校時代は、黒の学ランに銀のボタンだった。どうでもいい周辺情報…。

少し進むと、またっ‼

今度は、赤かよ…。

ヤンキー学校の卒業式やないか…。これ、誰が買うんやろ…。

店内からオヤジ店主『緑もあるよ何色がいいねん?

4460は、白が好みかな。裏側に刺繍してくれる?って、ゆうわけないやろ…。

それにしても、女性のマネキンだけ顔がリアル…

あれだこれだと刺激的な商店街を抜けると、

旧市街のメインストリートとの交差する広場まで歩いてきてしまった。

それにしても、早朝と比べるとものすごい人出だ。

これなら、石を投げれば必ずインド人に当たるはずだ。

門をくぐって、時計台までやってきたが、こちらも人がいっぱい。賑わっている

EP.29で撮影したONE PIECE写真も早朝じゃないと撮れなかったな…。

改めて実感する。

  • そろそろ駅へ

15:15 そろそろ駅に戻るか。駅員は2時間遅れると言っていたが、

早く来る可能性も十分ある。ここは安全に16:00には、駅に到着しておきたい。

 

駅までの帰り道にワインショップを見つける。

インドでは、酒屋のことをワインショップと呼ぶ

では、インドで最もメジャーなお酒がワインかというと、

ダントツ人気は、ウイスキー

 

ワインは、ビールよりもラムよりもジンよりも人気がなく、マイナー扱いだ。

じゃあ、ウイスキーショップと呼べばいいやん、と思うが、

なぜか、ワインショップ

インド人のこだわりが理解できない

 

2時間遅れだと、ジャイサルメール到着は、21:46になる。

車内でこっそりいただいて仮眠をとるために、そう自分に言い聞かせて

ワインショップワインのハーフボトルを2本調達した。

  • 遅れてもいても、堂々と

列車は、2時間遅れぴったりで堂々とホームにやってきた。

何が悪いんだと言わんばかりの、まさに、堂々たる態度だ

逆に気分がいい。駅員も慌てたりしない。

はっと気づく。ここでA1シート予約やったんや!

A1シートグレードは、AC付きの4人1部屋となる。

もしかして、インド人と 3対1 かな?少し不安…。

列車に乗り込み、ドアを開けて4人部屋へ入ってみると

同じぐらいの年のおじさんが、一人で本を読んでいる。

どうも2人だけのようだ。

 

あぁ、これならゆっくり過ごせそう。

安心して会釈をすると、向こうも同じように考えていて、

同じように安心したのか、本から顔をあげて会釈を返してくれた。

 

次回は、インド列車 揺れに揺れて 遂に脱線の危機か…。

今日はここまで。

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.33

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  • 路地を南へ進む

 EP.32 では、路地の奥の奥まで進み、ジョードプルの『青』

間近に感じることができた。

 

再び、広場から路地に戻って、建物の隙間を南に向かって移動する。

 

北側の丘陵地から離れる形になるので、南への移動は下り坂となる。坂を下り始めると『魔法』が切れてきたのか少しづつ青いところが少なくなってきた。

 

不意に後ろから、足音と人の気配を感じて立ち止まると、

たくさんのサリーを着た女性が4460の脇を通り抜けていく。

そのサリーの列は、30人を超える人数だった。列の最後の方に プジャですか?

と尋ねると『ディワリの特別なプジャよ』と教えてくれた。

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どんなプジャなのか気になってついていこうかとも思ったが、

このサリー集団には、一人も男性が含まれていない

 

女性だけの厳格なプジャだった場合、迷惑になることも考えられるので

そっとあきらめる

 

それにしても、周りを見ると知らない間に街の色がすっかり変わっている

 

  • 足元に違和感

以前にも触れたが、4460旅の靴として、今は廃盤カラーになった黄色のCamper beetleを愛用している。こいつは、ゴムひもを採用したシューレースにより着脱が快適なのに加えて、軽量でクッション性にも優れている。

何より黄色が気分をあげてくれる旅には欠かせない一足だ

 

そんな、beetleの左つま先に、歩くたびに引っ掛かりを覚える。よく見ると、一体ソールのつま先部分が、幅40㎜にわたって 深さ3㎜程度 口開きしてきている…。

軽いめまい…。早く処置をしないと…

どうやって修理するか?ゴム糊か…?乾かしている間、移動ができない…

いろいろ考えて悩みながらも足は動かして前に進む。

ここでこの靴とお別れするのは辛すぎる…何とかしな

 

悲壮感を漂わせながら歩いていると、

道端にしゃがみこんでいる人が視界に入り、立ち止まる

 

よく見ると、出張修理工の男性が、女性の足元でサンダルを修理している。

慣れた手つきで出し縫い糸を使い、ロックステッチ縫合で見事な修理をしている。

その方法があったか‼

 

  • 緊急手術

しかも、

この状況は、女性のサンダルがここで壊れました→修理工に電話します→針と糸だけ持って出発→スクーターで修理工やってくる→サンダル脱いで買い物中に修理。

こんな状況だろう

 

4460のbeetleも縫い合わせてもらおう!

 

この靴のつま先、縫える? 

出張修理工『楽勝…。白で縫うね。』凄い自信…。

糸の色も即決定。

っていうか、糸は、白か黒かの2択のみだ。

おもむろに、針と糸を取り出す。

慣れた足つきで靴を挟み込む。

割としっかり締め込んでくれる。

あれっ⁉出張修理工、ちょっと男前‼

…話がブレてまうわ…。

 

たった2分…できた!

これ以上傷口が広がらないように縫合できている!

あと5年、一緒に旅を続けられそうだ

 

ありがとう!ところで修理代は、いくら?

出張修理工『30ルピー安っす! 安すぎるやろ…。

 

衝撃に思わず 仰け反り ふらついたときに、

右の靴も口を開くんじゃないかと心配になった…。

 

次回は、遂に列車遅延の洗礼を受ける…。

今日はここまで。