インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.33
- 路地を南へ進む
EP.32 では、路地の奥の奥まで進み、ジョードプルの『青』を
間近に感じることができた。
再び、広場から路地に戻って、建物の隙間を南に向かって移動する。
北側の丘陵地から離れる形になるので、南への移動は下り坂となる。坂を下り始めると『魔法』が切れてきたのか少しづつ青いところが少なくなってきた。
不意に後ろから、足音と人の気配を感じて立ち止まると、
たくさんのサリーを着た女性が4460の脇を通り抜けていく。
そのサリーの列は、30人を超える人数だった。列の最後の方に プジャですか?
と尋ねると『ディワリの特別なプジャよ』と教えてくれた。
どんなプジャなのか気になってついていこうかとも思ったが、
このサリー集団には、一人も男性が含まれていない。
女性だけの厳格なプジャだった場合、迷惑になることも考えられるので
そっとあきらめる。
それにしても、周りを見ると知らない間に街の色がすっかり変わっている。
- 足元に違和感
以前にも触れたが、4460旅の靴として、今は廃盤カラーになった黄色のCamper beetleを愛用している。こいつは、ゴムひもを採用したシューレースにより着脱が快適なのに加えて、軽量でクッション性にも優れている。
何より黄色が気分をあげてくれる。旅には欠かせない一足だ。
そんな、beetleの左つま先に、歩くたびに引っ掛かりを覚える。よく見ると、一体ソールのつま先部分が、幅40㎜にわたって 深さ3㎜程度 口開きしてきている…。
軽いめまい…。早く処置をしないと…。
どうやって修理するか?ゴム糊か…?乾かしている間、移動ができない…。
いろいろ考えて悩みながらも足は動かして前に進む。
ここでこの靴とお別れするのは辛すぎる…。何とかしな。
悲壮感を漂わせながら歩いていると、
道端にしゃがみこんでいる人が視界に入り、立ち止まる。
よく見ると、出張修理工の男性が、女性の足元でサンダルを修理している。
慣れた手つきで出し縫い糸を使い、ロックステッチ縫合で見事な修理をしている。
その方法があったか‼
- 緊急手術
しかも、
この状況は、女性のサンダルがここで壊れました→修理工に電話します→針と糸だけ持って出発→スクーターで修理工やってくる→サンダル脱いで買い物中に修理。
こんな状況だろう。
4460のbeetleも縫い合わせてもらおう!
この靴のつま先、縫える?
出張修理工『楽勝…。白で縫うね。』凄い自信…。
糸の色も即決定。
っていうか、糸は、白か黒かの2択のみだ。
おもむろに、針と糸を取り出す。
慣れた足つきで靴を挟み込む。
割としっかり締め込んでくれる。
あれっ⁉出張修理工、ちょっと男前‼
…話がブレてまうわ…。
たった2分…できた!
これ以上傷口が広がらないように縫合できている!
あと5年、一緒に旅を続けられそうだ。
ありがとう!ところで修理代は、いくら?
出張修理工『30ルピー』安っす! 安すぎるやろ…。
衝撃に思わず 仰け反り ふらついたときに、
右の靴も口を開くんじゃないかと心配になった…。
次回は、遂に列車遅延の洗礼を受ける…。
今日はここまで。