インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.19
- 電動リキシャ運転手 チェキヲさんと何処へ行く?
ジャル マハールの湖畔に腰掛けて、
サモサ バオを頬張ったら、おなかも少し落ち着いた。
さあ、チェキヲさん、何処に行こうか?
チェキヲさん『モンキーテンプルへ行ってみるか?』
…んっ⁉モンキーテンプル…。
急にピンクシティーとも丘陵要塞群とも関係なさそうなところが出てきたなあ。
『猿がいっぱいいるんだ』
そらそうでしょうよ、その名前なら…。
時間はたっぷりあるし、断る理由も全くない。
行こう、モンキーテンプル。
- 自称ガイド チェキヲさんと行ってみよう
またまた、ジャイプール市内を抜けていくこと30分…。
ポンコツ電動リキシャは、平地に戻ると遅い。
あんなに峠の下りは速かったのに、やっぱり遅い…。
突然、『ここから、モンキーテンプルだよ。』チェキヲさんが振り返る。
思っていたより立派な門を抜けて、お寺の参道へと進む。
門の中にも、早速、猿がいっぱいいる。
朝、アンベール城にいた猿とは、少し顔つきと体の大きさが違う。
むこうで遭遇した猿は、手足が細長く、顔に彫りの深さがあって
インドの俳優ような雰囲気だったが、ここの猿は、少し小さくて、まるっちい。
ニホンザルに似ているような気がする。
参道わきの売店から、袋詰めされたピーナッツを3袋持った少年が
笑顔でこちらへ向かってくる。
少年『ピーナッツ買っていかないと、猿に囲まれるよ』
えーっと…買って、持って行ったら囲まれるんじゃないの…。
少年『ピーナッツを撒いて、その場から離れたらいいんだよ』
なるほどね‼ 3袋、ください。
チェキヲさん、ちょっと待ってて。
モンキーテンプルの上まで行ってきます。
- モンキーテンプルまで、また また、登山
モンキーテンプル、なかなかの坂道だ…。
早速、お猿のお出迎えだ。
お猿の向こうに通ってきた門が見える。結構立派な建物だったようだ。
お猿の脇にバナナの皮が落ちているところを見ると、
おなかがいっぱいなのか食べ物を欲しがらない。
ここはあえて、スルーしよう。
次は、牛さんですか。
道の端にも寄ってくれてるし、ピーナッツって感じでもないよね…。
スルーでお願いします。
次は、ヤギですね。その向こうに猿も見える。ヤギもピーナッツいらんよね。
それにしても、動物多い。姫路セントラルパークやな…。
そろそろお猿にピーナッツをあげるか…。
そう思って準備のためにカバンからピーナッツの袋を出した瞬間だった…。
斜め後ろから、2袋を強引にひったくられる。
一瞬の出来事で、猿にやられたっ!と思ったら、
インド人の子供だった。
こちらを向いて笑いながら、袋を開けておいしそうに食べだした…
あまりの衝撃に、4460 頭が真っ白になり言葉を失う。
とりあえず、もう一袋もあげるよ…。
結局、お猿さんにはピーナッツをあげることができなかったが、
囲まれることもなかったので、当初の目的は果たしたわけだから、
それはそれでいいのかもしれないが、とにかく衝撃的だった。
- 山頂の寺院にて
山頂に到着すると、見晴らしのいい場所に 小ぶりの寺院がある。
ここで、ノーマークだったスポット”モンキーテンプル”をググってみる。
あれっ⁉なんか微妙に違うな…。いや、絶対違うやろ!
チェキヲさん、確かに 猿もいる。寺もある。だから、モンキーテンプル。
間違いない。
だけど、間違ってる…。
寝坊に加えて、勘違いまで…ガイド失格やで…。
- 気を取り直して、参拝
それがたとえ、モンキーテンプル ではなくても、
ここが姫路セントラルパークではなくても、このお寺に罪はない。
手を合わせて帰ろう。
靴を脱いで入場し、静かに手を合わせていると、
脇に立つ建物からこのお寺を管理しているという女性が現れた。
『お気持ちだけでも寄付を、子供たちに食事を…。』
そうだ、
今は、日本とインドに離れて住んでいるが、4460にも 2人の子供がいる。
先ほど衝撃を受けたばかりじゃないか。
そっと寄付をすると、女性がお返しにヘナをしてくれるというので、
お願いをしてみることにした。
右手に描いてもらって、乾かすこと10分。
ぽろぽろとヘナを剥がすと皮膚にうっすら模様が転写されている。
2、3日するとより濃く鮮明になり、その後、7日程度で模様は消えるらしい。
日本でも、長期休暇を利用してヘナを楽しむ人が増えてきているらしい。
さあ、山を下りて、そろそろ ジャイプール市内に戻ろう。
次回は、ジャイプールで宝石を探す旅が始まる。
今日はここまで。