インドを旅する駐在員

1978年 生まれのサラリーマン。2015年からインド ムンバイに在住。国内外問わず とにかく ビール と 旅 が大好き。  最近、白髪が増えてきた…

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.21

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  • にーちゃんの正体…

ジャイプール市街地のメインストリートで、偶然前から歩いてきた にーちゃん

不思議な感じだが、今、一緒にテーブルを挟んで 2人で酒を飲んでいる

 

ビールが飲めるBARは、何処にあるか知っていますか?

確かに4460は、そう、彼に尋ねた。

 

この質問に対する答えは、『知りません』 または、『知っています』の2択だ。

知っています』の場合は、以下の選択肢が発生する。

1.その場で、口頭で説明する。

2.その場で、グーグルマップを使って説明する。

3.一緒に連れて行ってあげる

 

まあ、こんなところだろう。しかし、この にーちゃん は違う

 

…一緒について行って、自分も酒を飲む…。

突き抜けた発想や…。彼は何者なんだろう。

 

何処から来たんだ?国はどこだ?

なぜ、今、ジャイプールにいるのか?

どのぐらいの滞在期間か?

ビザはどうしたんだ?

お互い自身の年齢、家族構成、コロナ禍の話など

当り障りのない会話を楽しみながら、酒が進む

 

仕事の話に差し掛かった時、

にーちゃんが『俺は、宝石の仕入れをしているバイヤーだ

 

まじか…

 

ここまでの苦労が繋がっていく感覚…。

詳しく聞かせてくれ。

 

バイヤー『オレが仕入れて、兄貴が加工して、従弟の店で売るんだ

やっぱり、予測していた通りのビジネスモデル…

 

サトウという日本人パートナーと組んで日本人好みのデザインも扱ってるぜ』

 

キターーーーーー‼ それっ見てみたいっ‼

 

すぐに checkを済ませて店を出る。

支払い?そんなもん俺が出してやるよ。

 

  • 日本人好みのデザイン

バイヤーと連れ立って、従弟の店へ向かう。

こんな形で宝石の情報が手に入ると思ってもみなかった。

 

ビール最高!

 

小さな間口の従弟の店に到着。

店内に入ると4畳半ぐらいの広さの店内に小さなショーケースと

壁一面に積み上げられたプラスチックケースの山。

 

店員が3人もいる。

バイヤー、4460を合わせると5人息苦しいよ…

 

ここは、LINE ビデオ 通話の出番だ。

日本にいる妻と3.5時間の時差を乗り越えて、ビデオ通話を繋げてみる。

 

リクエストのイヤリングって、こんな感じ?

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妻:そうそう、そんな感じ! 

4460:こんな感じ?

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 妻:そうそう、そんな感じ!

4460:こんな感じ? 

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妻:おおっ。そんな感じ。

ご満足いただけたようだ。

4460もうれしい。

 

スモーキークォーツ、ムーンストーンサファイア、ルチル…。石の種類も多い。

イヤリング 3点、ネックレス 3点 をゆっくり選ぶ…。

なかなか楽しい。

 

価格の交渉に入ると、さすがインド人。バイヤーを含めて手ごわい相手となる。

しかしビデオ通話のおかげで日本からの援護射撃が加わると、

徐々に流れが日本チームに傾く

 

インドチームが疲れてきたスキをついて、日本チーム、ゴール!

ファイナル ディシジョン、破格の買値で勝利を手に入れた。

 

今後、ジャイプールに旅をするすべての日本人のために、ここでは価格は発表しない

あえて言うなら、ここには夢がありますよ…

 

目的も達成したし、そろそろ店を出るか…。

そう思って立ち上がると、バイヤーが名刺を渡してくれた。

バイヤー『いつでもここに連絡してくれ。うちの宝石を日本で売ってほしい

 

そうか、こうやって、

日本人好みのデザイン→ジャイプールで作らせる→仕入れにインドまでやってくる→ハンドキャリーで持ち帰える→日本で売る。

そういう方がいるんだ…

 

知らなかった世界を、少しだけ垣間見たような気がした。

 

  • 余韻だらけの別れ際の一言

バイヤー『オレは、一言だけ日本語が話せるんだ』

従弟の宝石店を出て、メインストリートまで4460を送ってくれているときに、

バイヤーが少しはにかんで話しかけてきた。

バイヤー『うまく発音できるかな』…照れずに言ってみろよ…

バイヤー『うまく伝わるかな』…溜めるな~。言ってみなさい。…

バイヤー『タカダ ジュンジ。』………。

 

ここにきて、高田純次ミスター無責任

 

高田 純次(1947年 1月21日生まれ)日本のコメディアン、俳優。初代ブラックデビル

記憶が正しければミスター無責任は、かつて宝石営業とジュエリーデザイナーの経歴があったはずだ。しかし、2021年のインド ジャイプールで、その経歴だけで名前を後世まで残していけるのか…。

 

そして、ついさっき買った宝石が『いい加減な代物』に思えてくるから不思議だ…。

どうして高田純次なんだ…。どうして、最後の最後の段になって、純次…

 

モヤっとした余韻を残したまま、悶々としながら歩いていると、メインストリートにつながる通りの角で小さな椅子に腰かけた女性が ヘナを手に描いてもらっているのが見えてくる。

 

小さく手をあげて、…ここで大丈夫。

バイヤーと別れることにした。

彼を伝手にして、答えを探しに また 宝石を買いに来よう

 

次回は、名物『ラッシー』をいただきに行こう。

今日はここまで。