インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.23
- ジャイプール最終日の朝
昨夜は、確かに早めに休んだ…。
でも、昨日も内容の濃い一日で、心身ともに疲れていたはずだ…。
今朝、目覚めると、やっぱり、朝の5時だった…。
今日も快晴!
回復していないわけではない、どちらかというと絶好調だ。
ただ、休みの日なのに 目覚めが早すぎる。おじいちゃんか…。
今日は、ジャイプール発 11:50 の列車に乗って、ジョードプルへ移動する。
2日間のジャイプール滞在によって、駅と市街地と王様ホテルの位置関係が掴めているので、午前中、もう一度市街地へ出ても列車には十分間に合うと思っている。
やり残しのないように、ジャイプール市外へもう一回行ってみるか…。
ホテルの朝食まで時間があるので、王様ホテルの周りを散歩してみる。
基本的に住宅地なので、史跡やお寺があるわけではない。
どちらかというと割と閑静な住宅街だ。
コレは また、古い車が停まっている。
ずいぶん久しぶりに見たよ。ヒンダスタン・アンバサダー 白色。
インド製 乗用車にして、車 業界の『走るシーラカンス』。
1956年からモデルチェンジを1度しかしていない生ける伝説である。
数年前までは、国産車の生産を守るために、中央、地方州政府が率先して公用車としてこの車を認定、配備していた。
ムンバイでも白のこの車が連なって走っていれば、
政府高官が移動中だとわかるほどだった。
しかし時が流れ、車体重量が1トン超で、燃費が 4㎞/L の車はさすがに通用しない。
ムンバイ地域でも、公用車がゆっくりと、だけど確実に、
逆に、黒のこの車、
ムンバイでは、現役シーラカンス タクシーとしていっぱい泳ぎ回っている…。
タクシーは、個人事業主だからなかなか置き換わらない。
まだまだ末永く、古き良き時代を引きずって走り続けていってくれるはずだ…。
それにしてもこの車、状態もよさそうだし、趣はあるな…。
ちょっとした散歩にも、確かな収穫があった。今日もいいことがありそうだ。
- やり残しを探しに市街地へ
ホテルで朝食を済ませると、バックパックにすべての荷物を詰め込んで
チェックアウトだ。
ありがとう。王様ホテル
。ここに建っていてくれて、ほんとに助かったよ…。
思わず、EP.10を回想してしまう…。
少し大きな通りに出て、電動リキシャをつかまえる。
迷わず…ハワーマハールまで。これが一番わかりやすい。
順調にいけば 20分ほどの距離だ。やり残しがないか、もう一度、歩いて回ってみよう。
この街には、まだまだポテンシャルがあるはずだ。
- 象が道を歩いている
電動リキシャは、予想通り20分ほどでハワーマハール前到着。
小さな満足感と一緒にリキシャを降りる。
市街中心部だが、まだ 8時前なので人通りもまばらだ。
ふっと大きな気配を感じて右を見ると、車道を象が歩いてくる。
昨日、アンベール城で乗った象のように観光用か?
それとも、乗っているおじさんの通勤用か?
それとも、象が仕事に行くために出勤しているのか?
あまりにも自然に車道を歩いてくるので、こちらが混乱してしまう。
混乱している4460に『細かいことは、気にするな』と鼻であいさつ。
何事もなかったかのように、静かに歩き、去っていった。
- 路上の宝石爺
昨日から気にはなっていたが、騙されそうで手を出していなかったものがある。
それは、宝石の露店だ。
店をかまえず、敷物に広げただけの宝石を 難しい顔をした店主が売っている。
明らかに胡散臭い。
しかし、ここを通らずして宝石の街ジャイプールを旅してきたと言えるのか。
やっぱり、勝負をしないといけない。
メインストリートを歩き、最も胡散臭い宝石爺を探す。
いた…。
なかなかの雰囲気…。
髭だけ白いのは、インドで最も有名な俳優 アミターブ バッチャンを意識してるのか?
アミターブ・バッチャンは、インドの俳優であり、映画プロデューサー、テレビ番組司会者、プレイバックシンガー、元政治家。1970年代からボリウッドで人気俳優の地位を確立し、その役柄から「怒れる若者」と呼ばれた。現在は、ムンバイに住居を構えており、ちょっとした観光地になっている。
本題に戻ろう。
今回は、小さいけどきれいな屑石を少しずつたくさん種類を買いたい。
そして、予算は300ルピーだ。
ちょっと、宝石みたいんだけど。
宝石爺『好きなだけ見ろ…。』おおっ強気な感じ。
この緑のを2粒とオレンジ3粒、それから~とちまちまやっていると、
5粒で500ルピーと吹っ掛けてきた。
いやいやいやいや、それはないでと見返すと、ちょっと笑って見返してくる。
手を口元に当てて、宝石爺が小声で隣に座れと言ってくる。
何を言い出してくるのかと思って、宝石爺の隣に座ってみる
。宝石爺は、いかにも芝居がかった感じで、周りに誰もいないことを確認するかのように後ろを何度も気にした後、向かって右側のブリキの箱をおもむろに開き、こう言い放った。
宝石爺『世界でどこにもない宝石が、今ここにある。』
マジかっ。胡散臭すぎる。
選びに選んでここに来た甲斐があった…。
ブリキの箱の中には、歴史を感じる黄ばんだ包み紙、それを広げると色とりどりの小粒の色石が出てきた。確かに、敷物に広げられた石とは、少し格が違うように見える。
宝石爺『この石たちは、大きさ、色、形、何をとっても世界に一つだけの宝石だ』
んっ⁉どっかで聞いたことあるフレーズ…。
スマップか?爺さん、スマップなのか?
小さい花や大きな花 一つとして 同じものはないから No.1にならなくてもいい
もともと特別な Only one~。
Only one 宝石爺よ、4460は、忘れかけていた純粋な心を取り戻したよ…。
その紙包みに入っている 宝石 まとめていくらだ?
宝石爺『特別に300ルピー』
えっ、ぴったり賞やないか。紙ごと買います!
でもなんで、敷物に並べてる石より安いの?
宝石爺『小さいから。』そういうことね…。
ジャイプール、やり残しは もう無さそう。
そろそろ、駅へ移動するか。
次回は、いよいよ次の目的地ジョードプルへ列車で移動。
今日はここまで。