インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.08
- 観光ガイド チェキヲさんと一緒に ①
リキシャ運転手 チェキヲさん。なかなかの安全運転だ。
すべての車、バイク、リキシャに抜かれる。
最初から思ってたけど、
リキシャ ボロボロやから 修理したほうがいいよ。
チェキヲさん『アルバート・ホール博物館だぜ』
突然の観光スポット 到着の連絡。
パトリカ門じゃないの?
アルバート・ホール博物館
1876年 ヴィクトリア女王の息子 アルバート王子がジャイプールを訪れた際に
迎賓館として建造。博物館と併設されている。
インド建築様式が盛り込まれた迎賓館は外観だけでも見応えがある。
確かに歴史を感じるたたずまい。建物にも風格がある。
ちょっと逆光…。
チェキヲさんに、中も見学してきたほうが良いかな?と尋ねると
チェキヲさん『ここから写真撮るぐらいで、いいんじゃない。』
じゃあ、そうします…。もともとノーマークやったしね。
アルバートさん、ごめんなさい。
- 観光ガイド チェキヲさんと一緒に②
チェキヲさん『ビルラ・マンディル寺院だぜ』
またまた、突然の観光スポット 到着の連絡。
パトリカ門じゃないの?
ビルラ・マンディル寺院
ピンクシティー ジャイプールにあって、広い敷地の中に真っ白なヒンドゥー教の寺院が立ち、寺院内部には美しいヒンドゥー教の神々が描かれている。ビルラー財団による寄贈寺院で創設者の銅像もある。
ここは、参拝をしておきたい。
チェキヲさん、ちょっと中まで行ってくるから、入り口付近で待っててね。
チェキヲさんにそう言いながら、4460は、少しだけ、戻ってきたらチェキヲさん、『いなくなってる』んじゃないかと考えていた。
今走り去ってしまえば、日没まで4460の観光の相手をする必要がないんだから…。
それならそれで、仕方ないか…。
少しだけ後ろ髪をひかれるような思いで、参拝に向かう。
ここでも、アーダールカード。インド人料金。
アーダール最強…。
庭園は、ゆったりと広くジャイプール市内の喧騒から 参拝者を切り離してくれる。
靴を脱いで、裸足で敷地に入り参拝する。
裸足で大理石の上を歩き、寺院を一周して 正面で手を合わせて 一礼。
宗教は違えど 手を合わせると何かすがすがしい気分になる。
過去に家族と訪れた タージマハル。あそこでも感じたが、真っ白な大理石の建造物には不思議な魅力があるようだ。
さあ、次はパトリカ門かな?
それより、チェキヲさん、まだいるかな?
いたっ!じっと待ってる。
どんだけ義理堅いねん。
こちらから手を振ると、チェキヲさんも こちらに向かって 手を振り返してくれた。
次は、いよいよパトリカ門か? 4460が尋ねると、チェキオさんが大きくうなずいた。
次回は、いよいよ 夕日のパトリカ門へ。
今日はここまで。
インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.07
- さて、次はどこへ行こうか…。
4460、昼食も食べてビールも少し飲んで 満たされた。
さて、次はどこへ行こうか。
時間は 15:00を越えて、少し日も傾いてきてる。
いくらインドといえども、ここは北半球。
日照時間も気持~ち 短くなってきた。
それにしても、ちょっとコリキで時間を使い過ぎた…。
その辺にいる誰かに聞いて、押さえておくべき名所。的な行き先を決めよう。
ジャイプールでの滞在は、明後日の昼まで。
午後には、ジョードプルへ移動だ。
ふっと視線を感じて横を見ると、じっとこっちを見つめる電動リキシャの男。
さすが、インド。見つかった…。
なかなか休ませてくれない。
そうだ、実は 今回の旅のお供に 『チェキ スクエア』 を持ってきている。
なんと、富士フィルムさんがインドでもチェキを販売されていて、
Amazon-Indiaで買えるのだ。
今やすべてのスマホにカメラが付いていて、
簡単に写真を撮ったり、撮り直したりできる世の中になったが、
その場で写真を手にする喜びは、いつの時代だって変わらない。
一人旅では、コミュニケーションが大切だ。
そして、積極的なキッカケづくりが必要になる。
まして、4460は 英語がうまいとは言えない。
だからこそ、今回は『チェキ』の力を借りて、
コミュニケーションが始まるキッカケにしたいと思っていたのだ。
回想が長くなってしまった。
- 電動リキシャ 運転手 『チェキ男:チェキヲさん』 登場
電動リキシャの男に、リキシャとあなたを写真に撮らせてくれないか?と頼んでみる。
男は、乗客が向こうからやってきたわけだから、チャンス。
すんなり快諾。
『チェキ』をかまえる。
男『んっ⁉何それ』
かまわず撮影。
フィルムが小さな音を立てて 排出される。
男『それ欲しい。』
いやいや。これは、4460の旅の記念用やから…。
男『それ欲しい。』
男『くれたら、日没まで市内観光タダで走ってあげる!』
まじかっ。
日没までいいの…。タダで…。
そんなに写真 欲しいんや。
『じゃあ、写真 アナタにあげる』
そうやなぁ、しばらく専属ドライバーになってもらうんやから、
呼びやすいニックネームが必要やと思う。
チェキを異常に欲しがる男、チェキ欲しがる男、チェキ男、
チェキヲさん にしよう!
『チェキヲさん、張り切って、観光にいこう』
それにしても、リキシャ ボロボロやんか。写真欲しがる前に整備やろ…。
- チェキヲさんとジャイプール市内のどこに行く?
リキシャも決まったので、
日没まで おすすめの観光スポットを巡ってもらうことにする。
チェキヲさん『ハワーマハールには、行ったのか?』
4460『いったよ』
チェキヲさん『じゃあ、アンベール城に行こう、50分ぐらいかかるけど。』
チェキヲさん、ごめんなさい。タダで行くのに申し訳ないけど、
4460は、明日の早朝にアンベール城 行きを計画している。
今から50分走って行ったら、日が暮れちゃうよ。
暗くなってしまうでしょ。
もしかして、遠くまで走って日没を迎えたら、夜間料金で戻ってくるつもり…。
もしそうなら、かなりの 策士。
もうちょっと、近場はないの?
チェキヲさん『それなら、夕日のパトリカ門に行こうぜ。』
あら、あっさり。単純に思いついたところを言っていただけね。
『パトリカ門』言葉の響きも なんか良さそう。行ってみよう!
次回は、チェキヲさんと夕日のパトリカ門へ。
今日はここまで。
インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.06
- シティーパレス周辺まで歩いてみよう。
ハワーマハールから出てきた4460は、ゆっくり街中を歩きたい気分だった。
駅からここまでナマムギ君のリキシャで来たので、街の雰囲気を掴めていない…。
駆け足で観光スポットを巡るのもいいが、写真を撮りに来ているわけではない。
どちらかというと、
まだインドで遭遇していない予想外の体験を求めにきているのだから、歩こう。
時間は十分にある。
歩き始めると、立派なものから日常的なものまで『門』が目に入ってくる。
ここは ラジャスタン ジャイプール 。
何重にも城壁と門を巡らせ仕切ることで、攻められにくく、守りやすくしてる。
さすが城塞都市。
攻めてきた敵兵が、門前で詰まったところを 正面上側と横から攻撃...
といったところか…。
何重もの堀と城壁と門の組み合わせによって、難攻不落の城下町を抱え
民を守ったことで繁栄を築いている。
政治的であり、戦略的でもある役割と意義に地形と立地がハマったときに、
城としての価値が高まる。
インドも 日本も 城の防衛戦略は似ていたのかも…。
- ジンリキシャー マン 『小さいリキシャ運転手:コリキ』登場
中世インドに思いをはせながら、城壁や門の造り、装飾をじっくり見ていると、
突然後ろから声を掛けらる。
振り向くと、小っちゃいリキシャーマン。
『乗ってく?』
ここで告白。
実は4460、20年ほど前になるが、学生の時にラグビーをやっていた。
今でも、体重80㎏ぐらいはある。
恥ずかしながら2018年ごろには 96㎏まで増加したが、
慎ましいダイエット生活の末、現在に至る。
話が少し逸れたが、…おっちゃん、そのリキシャって人力車だよね…。
京都 嵐山とかで走ってるやつ。たぶん、漕ぐタイプやんな…。
しかも、おっちゃん。見たところ その人力舎乗ったら、足届かんよね…。
『オレ、タイジュウ、80㎏、オモイ。アナタ、コゲナイ。』
コリキ『大丈夫、乗ってみろ』
まじか。覚悟はできてるんか?
ヨシっ!コリキのその心意気を買って 乗りましょう!
ちょうど腹もすいてきたところだ、コリキおすすめのホテルまで行ってくれ!
※インドでは、街の小さなレストランや食堂のことを『ホテル』と呼ぶ。
じゃあ、宿泊するホテルを何と呼ぶのか気になるところだが、これも『ホテル』。
なんでも『ホテル』。
余計混乱する。インド、カオス…。
コリキ『任せとけ~!』
コリキのジンリキシャ―で昼飯を食いに行こう。
- コリキ KOノックアウト
だから、言ったやん。
きついでって。
やっぱり コリキ、サドルに座ってペダルが一番下になるときに、
足が届いてない。24時間 立ち漕ぎ 状態。
しかも、自重がないからペダルに力が伝わらない。
4460も、さすがに自分より年上の人生の大先輩にジンリキシャ―を漕がせて,
おなかが減っているとはいえ、悠々とごはん食べに行くのには、
さすがに気が引ける。
しかも、歩くほうが早いぐらいの速度。
…漕ぐの変わろか?…
コリキ『だ、大丈夫…。』
きっと変わりたいって言いたかったはずや。だって、息上がってるし、汗がえぐい。
無事にホテルに着いたら、昼ご飯一緒に食べよ~ぜ。
コリキ、体重増やさな仕事にならんで。
コリキ『サンキュー、サー。いただきます。』
断らないところ、いいよ。コリキ。
昼ご飯、結局 コリキと一緒にビールまで飲んでしまった。
このホテルの竜田揚げ風 タンドリーチキン旨かったな~。
ビール2杯を飲んで、コリキ 撃沈。支払いを済ませて、コリキとはここでお別れだ。
次回は、ジャイプールで新たな登場人物との出会い。
今日はここまで。
インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.05
- ハワーマハールの内側から
EP.04で少し触れたが、ハワーマハールの小窓、姿を見られることを禁止されていた
宮中の女性たちが、宮殿の内側から 外の街の様子を眺めるための窓だった…。
宮中での庶民とは異なる恵まれた生活。
だけど、姿を見せてはいけない制限が課せられている。
宮中の女性は、自由を感じることがあったんだろうか…。
ゆっくりと思いをはせながら、
おっさんだが 窓の内側から外を覗いてみたいと思った。
ハワーマハールの正面に向かって右側、宝石や民芸品の小さな店舗が並ぶ
路地を抜けると入場ゲートを見つけることができた。
入場料は、え~と、外国人200ルピー…
んっ⁉ インド人 50ルピー。
安っ‼ えらい差をつけるな…。
そういえば、ここのところアーダールでインド人扱いされてるよね~。
そっと、試しに出してみる…。
『はい、50ルピーね』 マジか…
恐るべきアーダール。誰も疑いもしない。
容姿、国籍、文化を超えた人類の融和…。
そう、4460は すでにインド人なのかもしれない…。
- 宮殿 入場
向かえてくれるのは、ラージプートの王様 サワーイー・プラターン・シング。
この宮殿を建てた王様だ。
絵だけでいいのに…。蝋人形がリアルで怖い…。
宮殿の内側は、あんまりピンクじゃないみたい。落ち着いたベージュ基調。
そら、ずっと住むのにピンクだけじゃ飽きるわな。
噴水が上がる中庭、ゆったりと造られた内装。さすが王様。
見上げるとピンクの部分、あそこが正面から見えた小窓の内側かぁ。
初見からずっと感じているのだが、
4460の空間把握能力から推察すると、宮殿正面、窓の部分。
ずいぶん薄くないか…。
自分の感覚を確かめるためにも、小窓まで行ってみよう。
- 小窓の内側にて
階段を上がり始めて、それが確信に変わる。この建物は、極端に薄い。
姿を見せずに外の世界を見る。そのことだけに特化した建造物なのだ。
小窓はそれぞれブースのように仕切られている。
少人数でおしゃべりしながら、外を眺めていたのかもしれない。
この窓は、VIP専用やね。
建物中央の小窓スペースには、ステンドグラス付きの豪華な仕様もある。
むかしの宮中にも 格付けやパワーバランスがあって、
人によって差をつけられていたのか。
今も昔も、そんなに変わらんのかも。
小さな窓から見える 外の世界。
飾り格子の間から見える 宮殿の内側の世界。
この幅5m程度の建物から、内側と外側を見ていた人は、何を想っただろうか。
4460は、広い外側に居たいかな。
漠然とそう感じながら、もう一度外を覗いてみる。
外からカメラを向けていたインド人観光客が、
突然、窓から顔を出した日本人に驚いている。
…すいません。
小窓から日本人のおっさん。
史実からしても、その写真使えないよね…。
次回は、シティーパレス周辺をジンリキシャで。
今日はここまで。
インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.04
- ナマムギ君とハワー マハールへ
電動リキシャの運転手 ナマムギ君との出会いに軽い衝撃を受けた 4460だったが、
彼のリキシャに乗って、ジャイプール駅から ハワー マハールへ向かうことに決めた。
この電動リキシャ、車幅は狭いが 向かい合って4人乗りも可能。
屋根以外の外装無し…。ずいぶん開放的な乗り物だ。
あらら…。料金メーターが付いていない。運賃は、交渉タイプのようだ。
ナマムギ君、ハワー マハールまで いくら?
『400ルピー。一日観光ガイドをしてやったら、700ルピーだぜ。』
待て待て。4460はインド7年目やで。インド リキシャの相場もわかってる…。
『初めてインド来た~! リキシャ初めて乗ってみた~』みたいなフレッシュ感は、
…残念ながら もう無い…。
ナマムギ君、4460のどこを見てそんな勘違いをしてしまったんだ。
iPhoneのグーグルマップでハール マハールまでの距離を表示し、彼に伝える。
ムンバイでは、この距離は60ルピーぐらい。
『オレ、ムンバイ、7ネン、スンデル。』
ダメ押しは、インド版マイカード『アーダールカード』の出番だ。
ホレッ、アーダールも持ってるぜ。
ナマムギ君:『なんや、インド人か。日本人かと思った…。』
いやいやいやいや。そこは違う。日本人やで。
とにかく、アーダールを持ってるとインド人になるらしい。
この時 4460は まだ気付いていないが、旅を続ける中でアーダールによる
インド人化の恩恵を今後も受け続けることになるのである。
ナマムギ君、面白いから 100ルピーで交渉成立!
出発しよう!
- 窓はないけど リキシャの車窓から
ピンクシティー。建物も なんか意識 してるようなしてないような。
今のところ、そこまで ピンク でもないし…。
観光と宝石で成り立っている印象のジャイプール。
ピンクもっと強調したら…。これは、余計なお世話かもしれない。
おっと、なんか雰囲気出てきたよ。
WE WEL COME 歓迎されているようだ。
しかし、パステルカラーにはなってきたけど、ピンクではないな…。
何回か、交差点を曲がって…。
ムンバイもそうだが、インドの大きな交差点は 『ラウンドアバウト』方式が多い。
交差点は大きな円状の道路となっていて、各方向からの道から車が侵入してくる。
基本は、時計回りに動きながら行きたい方向の道路へ 左折で出ていく方式だ。
信号機がいらないから、停電が多く て交通ルールが自己流なインドには、
比較的向いているのかもしれない。
そうだ、パリの凱旋門をイメージしたらわかりやすいかもしれない!
だけどここは、インドのジャイプール…イメージがブレてまうわ…。
- ハワー マハール 到着
少し大きなラウンドアバウトをゆっくり左折すると、それは突然現れた。
おおっ、ピンクやん。そして、でかい。
ハワー マハル(風の宮殿)953の小窓が通りに面しているらしい。
この小窓を通して風(ハワー)が 循環する構造となっていて、
暑い時でも中が涼しい状態に保てるようになっている。
小窓は、むかしの宮中の女性たちは姿を見られることを禁止されていて、
この格子がついた小窓でしか 外を見ることができず、宮殿の内側から
街の様子を眺めていた。
それにしても、思い切ったデザイン。
ここでナマムギ君とは別れて、ハワー マハールの中に入ってみることにしよう。
次回は、ハワー マハールの内側から。
今日はここまで。
インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.03
- もう一度 停車、今度は朝食。
うたた寝を楽しむ4460。
こんな時間がずっと続けばいいな…。
8:30 暑いな…。焼かれてる感じがする。
車窓から差し込む 朝日の角度が変わって、
スリーパーシートで横になる4460の顔に日光が直撃していた…。
さすがインド、暑い。
もう寝てられへん、起きますよ。
ふいに、列車がブレーキに傾く。
また止まるのか?
夜食の時の経験もあって、駅での休憩に4460も慣れたてきた。
今度は、列車が止まる前に、売店前のベストポジションに降りてやろう。
これが…なかなかコツがいる…。
列車を飛び降りた瞬間から、列車の速度と同等速度で走ることができなければ、
はっきり言って、かなりの確率で、コケる!間違いない!
朝一番で、コケなかったのは日ごろの鍛錬の成果か、調子が良かっただけか…。
正直危なかった…。膝への負担が大きい…。
降りるタイミングが合わず売店の正面を逃してしまったが、
売り子のおにーちゃんが朝食をいっぱい持って笑顔で歩いて来てくれた。
コケたらもっと笑ってくれたと思うが…。
おにーちゃんこっちまで来るなら、こんな危ない降り方、もうしません…。
朝食もしっかり食べて、また、車窓からの眺めを楽しみつつ kindleで読書。
本を読むだけでも贅沢な時間なのに、インド寝台列車の環境を考えると貴重な経験。今、インド国内にいる。
恵まれた環境を噛みしめる。
11:50 列車が緩やかにスピードを落とし始めた。
いよいよジャイプールに到着するようだ。
ここまで一緒に時間を共有してきたスリーパー席のインド人も、
荷物をまとめ始めている。
短い間に濃密な時間を過ごした列車から降りてしまうことへの 後ろ髪の引かれ具合…。
寝台列車の毒に 少し侵されてしまったようだ。
- ピンクシティー ジャイプールに到着
天気は、快晴。
時間はかかったけど、最初の目的地:ジャイプールに到着。
さすが、ラジャスタンの州都。駅も大きく、人も多い。
そういえば、ムンバイを出発してから、まだ日本人に出会っていない。
コロナ禍の観光ビザが発給されない状況では、当然のことかもしれない…。
ホームをインド人の流れに乗って、駅舎のほうに歩いていく。
とりあえず、ピンクシティーの象徴:風の宮殿 ハワー マハールまで行ってみるか。
考え事をしながら歩いていくと、やっぱりここにも改札はなくて、
いきなり駅の外に出てしまうようだ。
だいたいこの辺から、駅の外。と感じるのは、リキシャからの客引きでわかる。
4460もインドでは 外国人。やっぱりリキシャ運転手に囲まれた…。
『どこに行くんだ?』『今夜の宿は取っているのか?』『お前は日本人か?』
『何の仕事をしているんだ?』『何歳だ?』『一人か?』『家族は?』
お願いやから、少し静かにしてくれ…。
『ナマムギ、ナマゴメ、ナマタマゴ!』
⁉ なんでこの場面で…。
かつて、ジャイプールに到着した先達が仕込んだのか…。
それにしても、もうちょっと教えておきたいと思う日本語、無かったんか。
ヨシっ。気に入った。『ナマムギ号に乗ろう』。
ナマムギ君、カッコつけすぎやろ…。
ムンバイで見ないタイプの電動リキシャを写真に収めようとしたら、
ちょっと待ってくれと、ポーズを取り直した。
さまになってるよ、ナマムギ君…。
次回は、ナマムギ君と 風の宮殿: ハワー マハール へ
今日はここまで。
インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.02
- 寝台列車の車内にて
人生初のインド寝台特急。
勝手に一人で盛り上がってる4460を尻目に、乗車したBorivaliの駅を過ぎると、
今まで明るかった車内のあちこちで、部分的な消灯が始まった。
どうも、手元のスイッチで照明調整が可能なようで、スマホも充電できる様子。
動画を見たり、音楽を聴いたり。寝る前のリラックスタイムの始まりだ。
20:30 みんな、それぞれが寝る準備を始める。
毛布を持ち込んでいる人、寝袋の人、さすが寝台列車。寝るための準備がすごい。4460…。少し準備が甘かったか⁉
フリースを1枚持ってきている。
寝るときは、これを着込んで仮眠しよう…。
21:00
まだ横になるような時間でもないので、バックパックを置いて貴重品だけ持ち、
寝台列車の中をうろうろと探索してみる。
『A1』グレード客室
スリーパータイプで向かい合う2段ベットの4席で1セット。
扉で仕切られ部屋になっている。グループならメチャクチャいいやん。
インド人と3対1になったら、逆に厳しいな…。
この旅で、1度だけ『A1』予約を入れている。
どうなるのか少し楽しみだ。
トイレ
A、Bグレードの車両には、洋式とインド式がそれぞれ設置されている。
わりと清潔感のあるトイレを完備。この上ない安心感…。
これなら何時間乗っても大丈夫だ。
チャイ ワラのおっさん
『チャイ・チャイ・チャ~イ』と独特のリズムとええ声で、
ヤカンと紙コップを持って定期的にやってくる。
吸い込まれるように注文して飲んでしまうから不思議。
列車の扉
基本的に開いたまま。開いたまま寝るの…。
ええんかそれで…⁉と思うが、いいらしい。
A1グレードの乗客以外は、内ドアがないので、風を嫌って自主的に閉めている。
酒の車内販売
インド列車は、基本的に車内禁酒。事前に調べていたが、ほんとのようだ…。
当然、待っていてもチャイ ワラのように ビールの車内販売はやってこない。
ところが、たとえ車内禁酒であっても、何処の国にもやっぱりいる…。
スリーパー席の2階では、インド人がタオルで隠してウイスキーを飲んでいる…。
4460も、冷えた缶ビール 3本、隠し持ってきてよかったー。
いろいろ探索、確認してみたが、どうもインド寝台列車。
快適に過ごせて、十分 寝れそうだ。席に戻って『深夜特急』でも読みながら、
『隠しビール』を飲んで眠気がやってくるのを待とう。
- 突然の休憩 そして、夜食
『深夜特急』大人になってから読んでも、やっぱり面白い。
少し疲れを感じていても、”やめどき”が分からなくなる…。
01:00
真っ暗な線路を走っていても、駅を通り過ぎると パッ と手元が明るくなる。
そのたびに、顔を上げて外を見ると深夜でもホームに座ってる人がいる…。
家に帰らないで大丈夫なんか…?改札もないから、駅に住んでるんかな…。
ゆったりとそんなことを考えながら、夜の闇の中を列車が進む。
ゆっくりと眠気がやってきて…やっとウトウトしかけた時、
ブレーキの抵抗で目が覚める。
駅に止まるようだ…。
2:20
ゆっくりとホームに列車が滑り込み、駅の灯で車内が照らされる。
何人か列車に乗り慣れた感じのインド人が、手際よく身支度を整え始める。
どうやら、数人が降りるようだ。 でも、こんな夜中に。ここで?
身支度中のインド人に、降りるのか?と尋ねてみると、
この駅には、『20分止まるよ。ちょっと休憩。』って言っている。
みんな、外の空気を吸って、手足を伸ばす準備をしているらしい。
列車がもうすぐ停止する…。
待ちきれないインド人は、止まる前から降りてる…。
その数秒で何が変わるんや。
4460も外へ出てみる。
夜になって少しだけ下がった気温の分だけ、少し湿度が上がった気がした。
おっ。売店あるやん。
いい におい…。
ワダ バオを食べよう!
旨い…
午前2時を過ぎてるけど、40歳超えてるけど、太るかもしれんけど、食べよ…。
青唐辛子の素揚げ 塩味も おいしいねん。
食べよ…。
さすがインド寝台列車。
予想外の時間帯に炭水化物を強引に大量摂取。
この後、快適に睡眠に入っていけたのは、夜食のおかげかもしれない…。
- そして夜明けがやってきた。
ふっと目が覚めると、車窓に朝日が見える。
こんなにも建物がないところで朝日が見れると思っていなかった。
いきなり、ちょっと感動。
向かいの席のおじさんも、静かに朝日を見ながら胸に手を当てていた。
国籍や文化は違っても、感じるところは同じというやつか…。
ジャイプールまではもう少し。もう一度 目を閉じて横になり、まどろむことにした。
次回は、いよいよ ピンクシティー ジャイプールに
今日はここまで。