インドを旅する駐在員

1978年 生まれのサラリーマン。2015年からインド ムンバイに在住。国内外問わず とにかく ビール と 旅 が大好き。  最近、白髪が増えてきた…

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.25

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  • 列車は、西へと進む

ジャイプールを定刻に発車した列車は、7時間弱の道のりで

18:30 ジョードプルを目指す。

 

列車の中でB1グレードの席は、スリーパータイプで体を横にすることもできる。

トイレもインド式と洋式の両方が完備され、それだけでも長旅なら安心だ

 

そして何より、『チャイ、チャイ、チャ~イ』と定期的にチャイ ワラがやってきて、

甘いチャイを小さな紙コップに注いでくれる。

 

あゝ、快適。

 

今回のスリーパータイプは、窓際の一人席だ。

 

西に向かう列車なら進行方向に向かって、

座席がひらがなの『』の字のようになっている。

 

左の窓に沿うように縦になった席と、通路を挟んで向かい合う席に分かれている。

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背もたれを倒したベットに靴を脱いで上がり、kindleを出して

深夜特急』の続きを読もう。

 

列車の時間は、まだ、始まったばかりだ。

 

学生の頃の旅なら、移動時間や何もしない自由な時間のために文庫本を2,3冊持って行った。だけど、旅そのものが楽しくて、全く読まずに帰ってくることだって、何度もあった

 

文庫1冊をだいたい300ページと仮定すると、一冊の重さは約150グラム。

3冊なら450グラムになる。

 

バックパックの旅になると、この重量とスペースが意外と効いてくる。

 

愛用している『Kindle Paperwhite 防水機能搭載 wifi 32GB』なら、本体重量は、たったの182グラムと薄くて軽量だ。今回は、深夜特急 6冊分をダウンロードしてきているから、約720グラム 軽量化ということになる。

 

また、これが、フロントライト方式だから、4460のように40を越えて老眼が始まったおじさんの目にも優しく、長時間の読書でも疲れにくい

 

すっかり手放せなくなってしまった

 

深夜特急の本編は、熱狂の香港/マカオを飛び出して、マレー半島を南下してシンガポールを目指すことに…。

 

4460は、熱狂のジャイプールを飛び出してきたばかりだ。

 

4460は、2014年8月から 1年間、シンガポールに駐在員として滞在した

その間に、タイ、マレーシア、インドネシアベトナムなどマレー半島を中心に、

家族と旅行したり、仕事で出張したりもした。

 

その当時の思い出の景色や、食べ物のにおいまとわりつくような湿度をリアルに思い出す…。

 

この、マレー半島/シンガポール編は、

自分の海外生活のルーツをたどっているような、そんな気分になる。

 

深夜特急』については、別の機会に40歳を超えて感じたことを

レビューしてみたいと思っている。

 

どっぷりと思い出に浸りながら深夜特急を夢中で読んでいると、

列車が静かに停止する

 

少し休憩するようだ。

 

  • 走る若者

外に出てみると、停止した駅は、予想よりもはるかに小さな駅だった

大きく伸びをしてストレッチをする。

最近、身体がすっかり固くなっている。

今は、売店に行く必要もない。ジャイプールで、ベジバーガーも買ってきた。

 

このベジバーガー。 

パニール(インドのチーズ)のフライなどが挟まっていればまだいいが、バンズにキャベツの千切りを乗せて、スパイスの効いたオーロラソースをベタっとかけて、ハイ、出来上がり。というのが大半だ。でもこれが、慣れてくるとあっさりしていてなんとも食べやすい。

4460も嫌いではない

 

車内に戻って、ベジバーガーでも食べよう。

時刻を見ると14時を少し回ったところだ。

席について、少し遅くなった食事をとり始めると、

列車はまた、西に向かって動き始めた。

 

窓の外を見ていると、んっ⁉

5人ほどの若者が駅の壁を登って超えてくる

次々と壁から飛び降りると同時に全力疾走!

 

列車に乗る気だ!

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若いって素晴らしい

 

壁を越えてきたから、もしかしたら乗車券も持たずに この列車に飛び乗る気なのかもしれない。きっと、若いあの子たちは、この列車に飛び乗り西に向かって貧乏旅行をする気なんだ。

 

勝手に妄想して、青春をお裾分けしてもらう…。

 

ところで、結構なスピードだったけど彼らは列車に乗ることができたのか?

結果を知ると興醒めするので、確認しないことにする…。

 

ゆっくりとkindleを手にして、また、深夜特急の世界へと入っていく。

 

次回は、いよいよ日没後のジョードプルに到着する。

今日はここまで。

 

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.24

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  • 後ろ髪を引かれながら…

ジャイプール市内から約20分、電動リキシャに乗って駅に向かう。

 

ジャイプールの電動リキシャの運転手は、みんな観光ガイドをやりたがる

たとえ乗客がすでに訪れたことがあって、例えば、すでに写真に収めていたとしても、

自分に対する付加価値が発生するかもしれない可能性に賭けて、

懸命なアプローチをしてくる。

 

この積極性、見習わないといけない…。

 

アルバート・ホール博物館だぜ』…うーん、知っている…。

一昨日よりも光の加減で、少し遠いが鮮明に建築物が見えている

ジャイプールに来てからよく感じることだが、

時間、陽の差し方、角度によってその表情が変わる

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思い切って、中に入ってみてもよかったかな…。でも、また次回かな…

 

運転手さん、駅へ向かってください…。

 

アルバート ホールを横目に進んでいくと、目的のジャイプール駅が見えてきた。

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  • ジャイプール駅の中へ

10:00 ジャイプール駅到着。

 

到着時は、リキシャ運転手に囲まれ、ゆっくりとこの駅を見ることはできなかったが、

今回は、さすがにリキシャから降りてきた4460にリキシャに乗らないか

誘ってくる運転手はいないようだ

 

ジャイプールの駅は、東西に細長い駅舎を入口出口 の案内表示で、明確に別けている。西側が入口で、東側が出口だ。基本的には、インド列車の駅に改札は存在しない。それなら、なぜ別けているのか?

それは、入場者の手荷物チェック身体検査をするためだ。

駅に限らず、インドでは 空港はもちろん、ホテル(宿泊するほう)やショッピングモールに入るときも、また、スーパーマーケットに入る時ですら、手荷物チェックと身体検査が行われる。

 

一説によると、記憶に新しい2008年のムンバイ テロ事件の後、

各地で検査が強化されたとのことだ。

日本人には、馴染みのない取り組みだが、隣国との緊張関係がある国では

常識なのかもしれない。

 

入口を中へと進むと、駅舎の中では、たくさんのインド人が空港によくあるような

たった1台のX線検査機まで、手荷物検査のために並んでいる。

もっと設置すればいいのに…。

 

そういえば、チェキのフィルムって、インドのX線検査に耐えられるのかな?

 

急いで調べてみると、手荷物検査程度なら問題ないが、海外では強力なX線もあるため、「フィルムが入っているので、個別に検査してください」と係員に伝えることが推奨されている

 

インドのX線…。無駄に強そう…。

 

念のため、バックパックからチェキ本体とフィルムを取り出し、首から下げて手荷物検査を通過しようとすると、係の警察官がめんどくさそうに手を細かく振って、ティケ、ティケチャロ

 

このティケとは、OKチャロとは、行け の意味だ。

 

なんだか飛行機の国際線のイミグレを突破したような開放感

ようやく駅の構内に入ることができた。

 

因みに、そっと確認してみると、出口側から通れば、

手荷物検査なしで入れるようだ…。

 

次はそうしよう… 

 

  • ホームにて

列車№とシートGradeをホームの電光掲示板で確認すればいい。

これは、EP.01で学んだインド列車の乗り方における基本の一つだ。

ここ、ジャイプールでも通用するのか…。

 

ホームのうえを見てみると、あるやんっ!ちっこい電光掲示板。

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これで、乗るべき列車の到着ホーム、シートGradeに合わせた車両位置も

間違えることがない

 

それだけでメチャクチャ安心だ。

 

11:45 列車が時間よりも早くやってきた。

遅れてくるイメージが強いインド列車だけに、速い時もあるのは予想外だ。

 

逆に気をつけておかないといけないなと改めて思う。

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ホームと列車の角度と比率、臨場感がある…。少しだけ『撮り鉄』の気分を味わう。

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11:50 ジャイプール → ジョードプル 18:30 …バラナシから来たのか…。

 

B1 スリーパーの下側シート

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ホームの売店で買った『ベジ バーガー』を持って、席に座れば、

ブルーシティーへ向けて出発だ

 

さよなら、ピンクシティー

 

次回は、ジョードプルに向かう電車の中から

今日はここまで。

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.23

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  • ジャイプール最終日の朝

昨夜は、確かに早めに休んだ…。

でも、昨日も内容の濃い一日で、心身ともに疲れていたはずだ…。

 

今朝、目覚めると、やっぱり、朝の5時だった…

今日も快晴!

 

回復していないわけではない、どちらかというと絶好調だ。

ただ、休みの日なのに 目覚めが早すぎる。おじいちゃんか…

 

今日は、ジャイプール発 11:50 の列車に乗って、ジョードプルへ移動する。

 

2日間のジャイプール滞在によって、駅と市街地と王様ホテルの位置関係が掴めているので、午前中、もう一度市街地へ出ても列車には十分間に合うと思っている。

 

やり残しのないように、ジャイプール市外へもう一回行ってみるか…。

 

ホテルの朝食まで時間があるので、王様ホテルの周りを散歩してみる。

基本的に住宅地なので、史跡やお寺があるわけではない。

どちらかというと割と閑静な住宅街だ。

 

コレは また、古い車が停まっている。

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ずいぶん久しぶりに見たよ。ヒンダスタン・アンバサダー 白色

インド製 乗用車にして、車 業界の『走るシーラカンス』。

1956年からモデルチェンジを1度しかしていない生ける伝説である。

数年前までは、国産車の生産を守るために、中央、地方州政府が率先して公用車としてこの車を認定、配備していた。

 

ムンバイでも白のこの車が連なって走っていれば、

政府高官が移動中だとわかるほどだった。

 

しかし時が流れ、車体重量が1トン超で、燃費が 4㎞/L の車はさすがに通用しない。

 

ムンバイ地域でも、公用車がゆっくりと、だけど確実に、

ジャガートヨタに変わりつつある…。

 

逆に、黒のこの車

ムンバイでは、現役シーラカンス タクシーとしていっぱい泳ぎ回っている…。

 

タクシーは、個人事業主だからなかなか置き換わらない。

まだまだ末永く、古き良き時代を引きずって走り続けていってくれるはずだ…。

 

それにしてもこの車、状態もよさそうだし、趣はあるな…

 

ちょっとした散歩にも、確かな収穫があった。今日もいいことがありそうだ

 

  • やり残しを探しに市街地へ

ホテルで朝食を済ませると、バックパックにすべての荷物を詰め込んで

チェックアウトだ。

 

ありがとう。王様ホテル

。ここに建っていてくれて、ほんとに助かったよ…。

思わず、EP.10を回想してしまう…。

 

少し大きな通りに出て、電動リキシャをつかまえる。

迷わず…ハワーマハールまで。これが一番わかりやすい。

順調にいけば 20分ほどの距離だ。やり残しがないか、もう一度、歩いて回ってみよう

 

この街には、まだまだポテンシャルがあるはずだ

 

  • 象が道を歩いている

電動リキシャは、予想通り20分ほどでハワーマハール前到着。
小さな満足感と一緒にリキシャを降りる。

 

市街中心部だが、まだ 8時前なので人通りもまばらだ。

 

ふっと大きな気配を感じて右を見ると、車道を象が歩いてくる。

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昨日、アンベール城で乗った象のように観光用か?

それとも、乗っているおじさんの通勤用か?

それとも、象が仕事に行くために出勤しているのか?

 

あまりにも自然に車道を歩いてくるので、こちらが混乱してしまう

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混乱している4460に『細かいことは、気にするな』と鼻であいさつ。

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何事もなかったかのように、静かに歩き、去っていった。

 

  • 路上の宝石爺

昨日から気にはなっていたが、騙されそうで手を出していなかったものがある。

それは、宝石の露店だ。

 

店をかまえず、敷物に広げただけの宝石を 難しい顔をした店主が売っている。

明らかに胡散臭い

 

しかし、ここを通らずして宝石の街ジャイプールを旅してきたと言えるのか。

やっぱり、勝負をしないといけない。

 

メインストリートを歩き、最も胡散臭い宝石爺を探す。

 

いた…

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なかなかの雰囲気…

髭だけ白いのは、インドで最も有名な俳優 アミターブ バッチャンを意識してるのか?

 

アミターブ・バッチャンは、インドの俳優であり、映画プロデューサー、テレビ番組司会者、プレイバックシンガー、元政治家。1970年代からボリウッドで人気俳優の地位を確立し、その役柄から「怒れる若者」と呼ばれた。現在は、ムンバイに住居を構えており、ちょっとした観光地になっている。

 

本題に戻ろう。

 

今回は、小さいけどきれいな屑石を少しずつたくさん種類を買いたい。

そして、予算は300ルピーだ。

 

ちょっと、宝石みたいんだけど。

宝石爺『好きなだけ見ろ…。』おおっ強気な感じ。

 

この緑のを2粒とオレンジ3粒、それから~とちまちまやっていると、

5粒で500ルピーと吹っ掛けてきた。

いやいやいやいや、それはないでと見返すと、ちょっと笑って見返してくる。

 

手を口元に当てて、宝石爺が小声で隣に座れと言ってくる。

 

何を言い出してくるのかと思って、宝石爺の隣に座ってみる

。宝石爺は、いかにも芝居がかった感じで、周りに誰もいないことを確認するかのように後ろを何度も気にした後、向かって右側のブリキの箱をおもむろに開き、こう言い放った。

宝石爺『世界でどこにもない宝石が、今ここにある。』

 

マジかっ胡散臭すぎる

選びに選んでここに来た甲斐があった…

 

ブリキの箱の中には、歴史を感じる黄ばんだ包み紙、それを広げると色とりどりの小粒の色石が出てきた。確かに、敷物に広げられた石とは、少し格が違うように見える。

 

宝石爺『この石たちは、大きさ、色、形、何をとっても世界に一つだけの宝石だ

 

んっ⁉どっかで聞いたことあるフレーズ…。

スマップか?爺さん、スマップなのか?

小さい花や大きな花 一つとして 同じものはないから No.1にならなくてもいい
もともと特別な Only one~

 

Only one 宝石爺よ、4460は、忘れかけていた純粋な心を取り戻したよ…。

 

その紙包みに入っている 宝石 まとめていくらだ?

宝石爺『特別に300ルピー

えっ、ぴったり賞やないか。紙ごと買います!

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でもなんで、敷物に並べてる石より安いの?

宝石爺『小さいから。』そういうことね…。

 

ジャイプール、やり残しは もう無さそう

そろそろ、駅へ移動するか。

 

次回は、いよいよ次の目的地ジョードプルへ列車で移動。

今日はここまで。

 

 

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.22

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  • 純次の余韻…

しかし、EP.21でのバイヤーの最後の一言、『タカダ ジュンジ』には、

4460を膝から崩れさせる破壊力があった

ジュエリーデザイナー。ミスター無責任。じゅん散歩…。

 

あぁ。頭から離れない。少し歩いて町からの刺激で忘れよう。

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しばらくボーとしながら歩いていると、またまた ハワーマハール。

今回は夕日を背負っている。

 

好みもあると思うが、日中の光を十分に浴びている姿が、4460は、好きかな

 

おおっ。今、知らないうちに純次が頭から消えていた

この調子だ。どんどん歩こう。

 

  • ラッシーを飲もう

ジャイプールの旧市街は、ムンバイのように近代的な高層ビルが乱立しているような場所ではない。

低層階の建物が、狭い路地部分だけを残して密集して、そして、ひしめき合っている。

その隙間をものすごい数のインド人がズイズイと歩き回りながら、

ぐるぐると独特の雰囲気とエネルギーを放出している

 

その熱気を楽しみながら じゅん散歩していると、何やら行列ができている。

インドで行列も珍しい。

 

近づいて行ってみるとラッシー屋さん ラッシーワラだ。

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宝石屋で喋りまくり、じゅん散歩で歩き回って、さすがに喉も乾いて 小腹も減った…。

 

おじさん、ラッシー1杯ください

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おじさん、『…。』

無言で受注。

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おじさん、無言で素焼きのコップを1つ手に取って、手前にセット。

 

この素焼きのコップは、使い切りで一度使ったら廃棄する

もったいないように感じるが、素焼きだから粉砕したら土に還る

素焼き工程で熱を使うがごみは出ない。

ちょっとエコ

 

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おじさん、無言でラッシーを注ぎ込む。

 

おもむろに、無言で奥のバッカンに入ったヨーグルトを

ヘラですくって一番上に乗せる。

 

後ほどわかるのだが、この硬めのヨーグルトがメチャクチャ美味しい。

増量してもらえばよかった…。

 

無言のまま出来上がり。

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おじさんに、無言で手渡される。

スプーンですくって食べてみる。

 

あぁ~。これ、美味しい奴や

 

程よい硬さの中に甘みがあって、飲み物というよりは、

どちらかというと食べ物に近い。

無言のラッシーおじさん、ありがとう。

 

  • 王様ホテルに帰ろう

ラッシーを飲み終え一息ついて、周りを見てみると ずいぶん陽が傾いてきたようだ。

 

そういえば、今日は 朝からずいぶん動き回って濃密な一日だった。

まだ、この旅は始まったばかりだ。無理する必要はない。

明日の午後から列車に乗ってジョードプルへ移動する計画になっている。

 

そろそろEP.10で登場した王様ホテルまで帰ろう。

 

電動リキシャをつかまえて、行き先を伝える。

…もしかしたら、チェキヲさんが運転してるかもと期待して運転手の顔を見たが、

運転手も リキシャも ずいぶん若くてシャキッとしていた…。

 

窓はないけど、リキシャの車窓から街を見ると、インドの時間はここから!

と言わんばかりの人混み。

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エネルギーを肌で感じ、後ろ髪を引かれる気持ちを断ち切り、なんとかホテルに到着

 

明日は、昼から列車で移動。今夜も早く休んで 気力と体力の回復だ

 

次回は、ジャイプールでやり残したこと…。

今日はここまで。

 

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.21

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  • にーちゃんの正体…

ジャイプール市街地のメインストリートで、偶然前から歩いてきた にーちゃん

不思議な感じだが、今、一緒にテーブルを挟んで 2人で酒を飲んでいる

 

ビールが飲めるBARは、何処にあるか知っていますか?

確かに4460は、そう、彼に尋ねた。

 

この質問に対する答えは、『知りません』 または、『知っています』の2択だ。

知っています』の場合は、以下の選択肢が発生する。

1.その場で、口頭で説明する。

2.その場で、グーグルマップを使って説明する。

3.一緒に連れて行ってあげる

 

まあ、こんなところだろう。しかし、この にーちゃん は違う

 

…一緒について行って、自分も酒を飲む…。

突き抜けた発想や…。彼は何者なんだろう。

 

何処から来たんだ?国はどこだ?

なぜ、今、ジャイプールにいるのか?

どのぐらいの滞在期間か?

ビザはどうしたんだ?

お互い自身の年齢、家族構成、コロナ禍の話など

当り障りのない会話を楽しみながら、酒が進む

 

仕事の話に差し掛かった時、

にーちゃんが『俺は、宝石の仕入れをしているバイヤーだ

 

まじか…

 

ここまでの苦労が繋がっていく感覚…。

詳しく聞かせてくれ。

 

バイヤー『オレが仕入れて、兄貴が加工して、従弟の店で売るんだ

やっぱり、予測していた通りのビジネスモデル…

 

サトウという日本人パートナーと組んで日本人好みのデザインも扱ってるぜ』

 

キターーーーーー‼ それっ見てみたいっ‼

 

すぐに checkを済ませて店を出る。

支払い?そんなもん俺が出してやるよ。

 

  • 日本人好みのデザイン

バイヤーと連れ立って、従弟の店へ向かう。

こんな形で宝石の情報が手に入ると思ってもみなかった。

 

ビール最高!

 

小さな間口の従弟の店に到着。

店内に入ると4畳半ぐらいの広さの店内に小さなショーケースと

壁一面に積み上げられたプラスチックケースの山。

 

店員が3人もいる。

バイヤー、4460を合わせると5人息苦しいよ…

 

ここは、LINE ビデオ 通話の出番だ。

日本にいる妻と3.5時間の時差を乗り越えて、ビデオ通話を繋げてみる。

 

リクエストのイヤリングって、こんな感じ?

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妻:そうそう、そんな感じ! 

4460:こんな感じ?

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 妻:そうそう、そんな感じ!

4460:こんな感じ? 

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妻:おおっ。そんな感じ。

ご満足いただけたようだ。

4460もうれしい。

 

スモーキークォーツ、ムーンストーンサファイア、ルチル…。石の種類も多い。

イヤリング 3点、ネックレス 3点 をゆっくり選ぶ…。

なかなか楽しい。

 

価格の交渉に入ると、さすがインド人。バイヤーを含めて手ごわい相手となる。

しかしビデオ通話のおかげで日本からの援護射撃が加わると、

徐々に流れが日本チームに傾く

 

インドチームが疲れてきたスキをついて、日本チーム、ゴール!

ファイナル ディシジョン、破格の買値で勝利を手に入れた。

 

今後、ジャイプールに旅をするすべての日本人のために、ここでは価格は発表しない

あえて言うなら、ここには夢がありますよ…

 

目的も達成したし、そろそろ店を出るか…。

そう思って立ち上がると、バイヤーが名刺を渡してくれた。

バイヤー『いつでもここに連絡してくれ。うちの宝石を日本で売ってほしい

 

そうか、こうやって、

日本人好みのデザイン→ジャイプールで作らせる→仕入れにインドまでやってくる→ハンドキャリーで持ち帰える→日本で売る。

そういう方がいるんだ…

 

知らなかった世界を、少しだけ垣間見たような気がした。

 

  • 余韻だらけの別れ際の一言

バイヤー『オレは、一言だけ日本語が話せるんだ』

従弟の宝石店を出て、メインストリートまで4460を送ってくれているときに、

バイヤーが少しはにかんで話しかけてきた。

バイヤー『うまく発音できるかな』…照れずに言ってみろよ…

バイヤー『うまく伝わるかな』…溜めるな~。言ってみなさい。…

バイヤー『タカダ ジュンジ。』………。

 

ここにきて、高田純次ミスター無責任

 

高田 純次(1947年 1月21日生まれ)日本のコメディアン、俳優。初代ブラックデビル

記憶が正しければミスター無責任は、かつて宝石営業とジュエリーデザイナーの経歴があったはずだ。しかし、2021年のインド ジャイプールで、その経歴だけで名前を後世まで残していけるのか…。

 

そして、ついさっき買った宝石が『いい加減な代物』に思えてくるから不思議だ…。

どうして高田純次なんだ…。どうして、最後の最後の段になって、純次…

 

モヤっとした余韻を残したまま、悶々としながら歩いていると、メインストリートにつながる通りの角で小さな椅子に腰かけた女性が ヘナを手に描いてもらっているのが見えてくる。

 

小さく手をあげて、…ここで大丈夫。

バイヤーと別れることにした。

彼を伝手にして、答えを探しに また 宝石を買いに来よう

 

次回は、名物『ラッシー』をいただきに行こう。

今日はここまで。

 

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.20

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  • チェキヲさんとお別れ

電動リキシャの運転手、チェキヲさんとは、EP.07からの付き合いとなるが、

そろそろお別れだ。

 

4460は、宝石の町としてのジャイプールを見てみたいと考えているので、

リキシャが必要でなくなる

ここからは足で稼いで、もっと見識を広げるためだ。

 

チェキで写真を撮ったことがきっかけで、チェキヲさんとは2日間にわたって

一緒にジャイプール周辺を駆け回ることになった。

 

時には、寝坊して遅刻をする。

また、モンキーテンプルを大きく勘違いすることもあったが、

基本的には、憎めない奴だ。

 

ジャイプール市内に到着し、ここで降ろしてほしい

料金はいくらだ?と聞くと、

チェキヲさん『300ルピー』『寝坊したから…

まじか…泣いてまうやろっ!

インド人やったら、気にするな!落ち込むな!前だけ向いて走れっ!

 

そして、ポンコツ電動リキシャを修理しろっ

 

チェキヲさんに500ルピーを渡して別れることにした。

 

握手の代わりにグータッチをしてリキシャを降りる。

4460は、インド人の雑踏の中に歩を進めてから、そっと、振り返ってみる。

チェキヲさんがまだ、こっちを静かに見ていた

お互い少し手を挙げてあいさつすると、ポンコツ電動リキシャとともに、

リリースされた魚のように、静かに車の流れの中へと消えていった

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  • 妻からの依頼

今回の列車の旅で、ジャイプールを訪れることを 4460は、事前に妻に知らせていた。

 

妻からは『日本でも使えそうなインドジュエリー、イヤリングが欲しい』とリクエストを受けている。

 

家族とインドで過ごした4年間の間に、4460も”インド人好み”のデザインと”日本人好み”のデザインの差が何となく掴めてきているとの自負がある

 

その両者を別ける最大のポイントは、デザインの線の太さにあると4460は考えている。

 

今回は、無数にある宝石店の中からランダムチェックを実施して、日本人好みのデザインを探し出すのだ。

 

…テーマが壮大過ぎて眩暈がしそうだが、先ずは、できることからやってみよう。

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まずは、メインストリートを歩いて宝石屋を探す

インドの小売店は、親族経営が多く同じところに密集する労働集約型のビジネススタイルが多い。例えば、宝石屋なら、いとこ仕入れた石を 叔父が加工して、親父の店で売る感じだ。そしてみんな近くに店舗を持って手渡しで商売をしている。

 

だから、1件見つけたら、芋づる式に 100件見つかるはずだ。

 

宝石屋を見つけたら、路地まで入っていって、ショウウィンドウを確認する。

少し当りのありそうな店では、中に入ってオヤジと話をしてみる。

同じ方法を何度も繰り返してみるが、日本人好みのデザインは全く見つからない

どれも、インド人好みのごついフレームのデザインだ

 

30軒ぐらいは見ただろうか、さすがに疲れたし 喉も乾いた…

 

ビールでも飲もう。

 

・ビールを求めて

ビールが飲みたい

でも、いざ探してみると これがなかなか見つからない

 

宝石もビールも見つからないと、さすがに疲労が蓄積する。

 

うーん。ちょっと前から歩いてくるにーちゃんに聞いてみよう。

 

このあたりにビールが飲めるBAR はありませんか?

にーちゃん『メインストリートには、ないよ』

メインストリートには、無い?

 

にーちゃん『バックストリートに安いBARがあるよ』

バックストリートかぁ…。ちょっと心配だが、ビールは飲みたい…。

仕方がない。よしっ行こうっ!

 

にーちゃんと一緒にメインストリートを少し歩き、路地へと入っていく。

右へ左へ細かく何度も角を曲がり進んでいく。

建物に囲まれた裏路地で日が差している向きもわからなくなり、方向感覚を失う。

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路地の様子も荒れてる感じになってきた。

これは、やばいかな…

 

少しでも危険を感じたら引き返そうそう心の中で決めていた

にーちゃん『ここの地下だ。』ホンマにあった…。

確かにBARや

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EP.06でも少し触れたが、インドでは、街の食堂や小さなレストランを『ホテル』と呼ぶ習慣がある。

 

ここの看板もHOTELと書いているが、ビールを飲むことはできても、泊まることはできない。じゃあ、宿泊するところは、何と呼ぶのか?これも当然、HOTEL:ホテルだ

混乱するので、これぐらいにしておこう。

 

にーちゃんが先頭になってBARへと階段を降りる

薄暗い店内で数人が酒を飲んでいるのが見えた。

 

4460はビール。にーちゃんは、ウイスキー コーク

とりあえず、乾杯

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この出会いにより、宝石探しに急展開が起きることを 4460はまだ知らない…。

 

次回は、にーちゃんの正体が明らかになる。

今日はここまで

インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.19

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  • 電動リキシャ運転手 チェキヲさんと何処へ行く?

ジャル マハールの湖畔に腰掛けて、

サモサ バオを頬張ったら、おなかも少し落ち着いた。

 

さあ、チェキヲさん、何処に行こうか?

 

チェキヲさん『モンキーテンプルへ行ってみるか?』

…んっ⁉モンキーテンプル…。

 

急にピンクシティーとも丘陵要塞群とも関係なさそうなところが出てきたなあ。

猿がいっぱいいるんだ

そらそうでしょうよ、その名前なら…。

 

時間はたっぷりあるし、断る理由も全くない。

行こう、モンキーテンプル

 

  • 自称ガイド チェキヲさんと行ってみよう

またまた、ジャイプール市内を抜けていくこと30分…。

ポンコツ電動リキシャは、平地に戻ると遅い

あんなに峠の下りは速かったのに、やっぱり遅い…

 

突然、『ここから、モンキーテンプルだよ。』チェキヲさんが振り返る。

思っていたより立派な門を抜けて、お寺の参道へと進む。

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門の中にも、早速、猿がいっぱいいる。

 

朝、アンベール城にいた猿とは、少し顔つきと体の大きさが違う。

 

むこうで遭遇した猿は、手足が細長く、顔に彫りの深さがあって

インドの俳優ような雰囲気だったが、ここの猿は、少し小さくて、まるっちい。

ニホンザルに似ているような気がする。

 

参道わきの売店から、袋詰めされたピーナッツを3袋持った少年が

笑顔でこちらへ向かってくる。

少年『ピーナッツ買っていかないと、猿に囲まれるよ』

えーっと…買って、持って行ったら囲まれるんじゃないの…。

少年『ピーナッツを撒いて、その場から離れたらいいんだよ』

なるほどね‼ 3袋、ください

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チェキヲさん、ちょっと待ってて。

モンキーテンプルの上まで行ってきます。

 

  • モンキーテンプルまで、また また、登山

モンキーテンプル、なかなかの坂道だ…。

早速、お猿のお出迎えだ。

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お猿の向こうに通ってきた門が見える。結構立派な建物だったようだ。

 

お猿の脇にバナナの皮が落ちているところを見ると、

おなかがいっぱいなのか食べ物を欲しがらない

ここはあえて、スルーしよう

 

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次は、牛さんですか。

道の端にも寄ってくれてるし、ピーナッツって感じでもないよね…

 

スルーでお願いします。

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次は、ヤギですね。その向こうに猿も見える。ヤギもピーナッツいらんよね

 

それにしても、動物多い。姫路セントラルパークやな…

 

そろそろお猿にピーナッツをあげるか…。

そう思って準備のためにカバンからピーナッツの袋を出した瞬間だった…。

斜め後ろから、2袋を強引にひったくられる。

一瞬の出来事で、猿にやられたっ!と思ったら、

インド人の子供だった。

 

こちらを向いて笑いながら、袋を開けておいしそうに食べだした…

 

あまりの衝撃に、4460 頭が真っ白になり言葉を失う

とりあえず、もう一袋もあげるよ…

 

結局、お猿さんにはピーナッツをあげることができなかったが、

囲まれることもなかったので、当初の目的は果たしたわけだから、

それはそれでいいのかもしれないが、とにかく衝撃的だった

 

  • 山頂の寺院にて

山頂に到着すると、見晴らしのいい場所に 小ぶりの寺院がある。

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ここで、ノーマークだったスポット”モンキーテンプル”をググってみる。

あれっ⁉なんか微妙に違うな…。いや、絶対違うやろ!

 

チェキヲさん、確かにもいる。もある。だから、モンキーテンプル

間違いない

 

だけど、間違ってる…。

寝坊に加えて、勘違いまで…ガイド失格やで…

 

  • 気を取り直して、参拝

それがたとえ、モンキーテンプル ではなくても、

ここが姫路セントラルパークではなくても、このお寺に罪はない。

手を合わせて帰ろう。

 

靴を脱いで入場し、静かに手を合わせていると、

脇に立つ建物からこのお寺を管理しているという女性が現れた。

『お気持ちだけでも寄付を、子供たちに食事を…。』

そうだ、

今は、日本とインドに離れて住んでいるが、4460にも 2人の子供がいる

先ほど衝撃を受けたばかりじゃないか。

 

そっと寄付をすると、女性がお返しにヘナをしてくれるというので、

お願いをしてみることにした。

右手に描いてもらって、乾かすこと10分。

ぽろぽろとヘナを剥がすと皮膚にうっすら模様が転写されている。

2、3日するとより濃く鮮明になり、その後、7日程度で模様は消えるらしい。

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日本でも、長期休暇を利用してヘナを楽しむ人が増えてきているらしい。

 

さあ、山を下りて、そろそろ ジャイプール市内に戻ろう。

次回は、ジャイプールで宝石を探す旅が始まる。

今日はここまで。