インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.32
- 路地裏の『青』の底力。
メヘランガール城を左手に見ながら東側から北上した4460は、
城の脇を反時計回りに回って、乾季のインドの太陽にじりじりと焼かれながら、
なんとか西側まで抜けてきた。
EP.31 で、『こどもびいる』を飲んだ4460は、
わずかな体力の回復を確認して南に向かう。
そういえば、北側の丘陵地を抜けるときに、西側により青いエリアが見えていた。
このあたりの路地を左に入っていけば、おそらくそこに出れるはずだ。
あたりをつけて、思い切って路地に入っていく。
先ほどまで歩いていた道は、道幅も4m程度、ぎりぎり車がすれ違える程度の道だったが、メヘランガール城を含む城下町を大きく囲む『環状線』のような大きな生活幹線道路だったのかもしれない。
なぜなら、路地から、路地へと進むにつれて、どんどん道幅は狭くなり、2mにも満たなくなってきた。人が歩いてすれ違うのもやっとの幅だ。
建物と建物の間が狭く、高さを感じるようになってきたころ、
周りが『青』くなってきたことに気づく。
光が入らない路地裏では、水の中にいるような感覚になる。
ふっと明るさを感じて左を見ると、遠くにメヘランガール城が見える。
水の中から出て息を吸いたいような感覚になって、
光のさすほうに出てみることにした。
そこは、子供たちが遊ぶ 建物の天井部分の広場だった。
明るさと開放感が気持ちいい。日に照らされた『青』も何だか心地いい。
遊んでいた子供が、こちらへ向かって歩いてくる。
『写真を撮ってほしい』
…いいよ。…
木陰でポーズを決める少年。絵になるやんか…。
モデルのお礼に、チェキで写真を撮ってあげる。
フィルムに画像が出てくるまで『ぽかん』としていたが、
自分の姿が映し出されると、うれしそうな顔で写真を持ち、
建物の中に走り去ってしまった。
行ってしまったな…。
そう思って、路地裏に戻ろうとしたら、
建物からおじいちゃん、おばあちゃん、赤ちゃんを抱っこしたお母さん、
お姉ちゃんx2、関係が分からないおばさんx3がぞろぞろと出てきた。
また、たくさん連れてきたなぁ、おい…。
そして始まる、チャイを飲みながらのチェキの大撮影会。
シンプルだけど、みんな大喜び。何とも言えない幸せな時間を過ごす。
それにしても、富士フィルムさん。チェキスクエアの破壊力がすごいよ…。
そして、路地裏の『青』 心地よかった…。
次回は、ジョードプルの駅まで市街地を徒歩で移動中、靴に違和感が…。
今日はここまで。
インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.31
- 常に左側に メヘランガール城を見ながら…
メヘランガールの城下町を散策するため、城を常に左側に見ながら、
反時計回りに歩き始める。
なぜ、反時計回りなのか?
特別な理由などない。単純に EP.28 でお世話になった親戚のおばちゃんの家のような宿から、時計台に向かうために歩きだしたら、
たまたま そうなっただけだ。
階段井戸をあとに歩き始めると、城の東側を歩いていることになる。
このまま北側に向かう。
東側は、割と新しい住宅地だ。どちらかというと、昨夜の宿や時計台のある西側から南側にかけてが、城下町の旧市街地が固まっていて、ぐるっと一周城下町というわけではないのかもしれない。
前方から、たくさんの大きな声が重なって聞こえてくる。小さな学校があり校庭に子供たちが溢れかえっている。屈託のない笑い声や歓声、元気な話声を聞きながら、少し元気になって反時計回りにどんどん進む。
北側に向かって少しずつ傾斜が出てきた。傾斜が徐々に坂道に変わり始める。
メヘランガール城の北側は丘陵地が広がるため、街は広がっていない。城の北側を回る道は、城のすぐそばのインコースをまわって西側に抜けることになる。そのかわりに、北側は、城と同じ高さまで丘陵を登る必要があるようだ。
地図を確認して歩きだすと、やっぱり高度が上がってきた。
高度が上がると景色も良くなる。
やっぱり、メヘランガール城 デカい。
それにしても、高度が上がると坂が増える。坂が増えると汗をかく。汗をかいたら喉が渇いた…。
ビールが飲みたい…。
- ビールを求めた結果…。
暑さによる疲労と、脱水による倦怠感が隠し切れない。『歩いて散策する』とは決めたものの、乾季のインドでは、適度な休憩は、命を守るためにも必要だ。
どこかで、少し休憩しよう。そう思って歩いていると、小さな売店が見えてきた。
助かった~。少し休んでいこう。できればビールが飲みたい。
小さな売店は、狭い間口に袋菓子をのれんのようにハンガーにぶら下げている。ハンガーをよく見ると、お菓子ぶら下げる専用ハンガーのようだ。特注品か?それとも市販品なんだろうか…。
奥の薄暗い店内には、爺さんが小さな椅子に座って店番をしているようすが見える。
見た感じ 日本でいうところの駄菓子屋。とてもビールが出てくる雰囲気ではない。
だけど、ここはインド。
チャレンジせずに後悔するぐらいなら、チャレンジして玉砕するほうがいい。
ビールはありますか?
駄菓子屋爺『冷えたビール、あるよ』
マジか…。あるんや…。一本ください。
んっ⁉緑色の瓶にカワセミのマークで『king Fischer』とか書いてないの?
そうか、もしかして地場のクラフトビールってやつですか!
駄菓子屋爺、やるやないか‼
一口飲んで、違和感が現実となる…。ナニコレ?
『FRUIT BEER』…。『NON‐ALCOHOLIC』…。これ、こどもびぃる やん…。
さすが、駄菓子屋…。
まあ、喉乾いてるから 何でもいい。
早く飲みたい。駄菓子屋爺、もう一本‼
駄菓子屋で補給を終えたら、次は西側、路地裏巡りだ。
次回は、青い路地裏へ。
今日はここまで。
インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.30
ジョードプルの旧市街がなぜ青いのか?それぞれの理由によって諸説がある…。
『害虫駆除のための塗料が変色した』『夏場が暑くなるのでクールダウンのため』『司祭階級の偉い人たちが自分たちの身分をはっきりさせるために塗った』…などなど…。
街を実際に歩き回ってみると、2つの『青』が共存している。
古くからそこにある『青』。
ブルーシティーを意識した最近の『青』。
どちらの『青』も、今のブルーシティーを彩る『青』に違いは ない。
昔も、今も、訪れる人を楽しませてくれる。
それだけで いいような気がする。
- 階段井戸を探せ
EP.29で、 『ONE PIECE』 風の撮影をした時計台から、階段井戸は近い。
歩いて向かう
階段井戸とは、砂漠気候や熱帯気候の土地を多く抱えるインドで、地中深くに掘った大きな穴を貯水槽として使い、地下深くの水面に至るために幾重にも重なる階段構造を備えている。また、その階段が外から見ると整った幾何学模様に見えることから、近年は、その規模や形状を被写体とする需要によって人気を集めている。
階段井戸に向かっていると、左側の視界が広がる。
貯水池があるようだ。
水は、インドらしくあまりきれいではないが、天気は、風もなく快晴。
水面に写るメヘランガール城、なかなかの眺めだ。
道の右側にも、小さな池があるな。
視界の端でとらえながら、階段井戸を探して前進する。
- 階段井戸。そこか…。
ここら辺のはずなのに、見つからない。見つけることができない…。この道を右に曲がったところにあるはずなんやけど…。
えっ⁉…もしかして溜池やと思ってたけど、これが、階段井戸⁉
さっき、通り過ぎた アレか…。
思い込みって、怖い…。
砂漠の階段井戸って、覗き込まないと見えないぐらい深くまで掘られていて、その側面に、幾何学模様の階段が続いている…。前段の解説のような絵面を想定していたが、
水がいっぱい潤沢にある。イメージとの乖離がえぐい…。
4460のイメージではこんな感じで、下まで階段が続いて―…。
井戸の脇で、魚に餌をあげていた叔母さまに尋ねると、
乾季が近づくと底が見えてくるらしい。
そうだ、今はまだ 11月。雨季が終わって 1ヵ月程度だった。
- メヘランガール城を反時計回りに
今日は、メヘランガール城には上がらない。そう決めている。
なぜなら、今日の夕方にジョードプルを出発し、ジャイサルメールを目指す。そして、今夜はジャイサルメールに泊まり、明日の夜には、またジョードプルに戻ってくる。
明後日には、ゆっくりメヘランガール城を探索する時間が持てるからだ。
※少し混乱した方は、冒頭の全旅程を参考にしてください。
そういうわけで、今日はメヘランガール城を中心に反時計回りに、ブルーシティーを散策する。
それにしても、君ら(白い犬)…。やり過ぎちゃうか。怒られるで…。
次回は、ビールの大切さを思い知ることに…。
今日はここまで。
インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.29
- インド ジョードプルで、寄せ集めの海賊団…
大半のインド人がまだ活動していない早朝…。
メヘランガール城に時計台…。舞台は整った…。
あの、日本を代表する人気漫画『ONE PIECE/ワンピース』の
名場面をイメージした写真を撮りたい…。
舞台は整っている。
しかし、今回の旅は、4460の一人旅。役者の数が足りない…。
どうしようか。立ち位置を変えながら自分の写真をいっぱい撮って…
そんな技術を4460は 持ち合わせていない。
それなら、単純にインド人エキストラを募集するしかないな。
腹を決めたらすぐ行動だ。
明け方の時計台前で、インド人グループを待ち伏せすることにする。
おおっ。頃合いの3人組がやってきた。
…撮りたい写真があるんだけど、エキストラとして協力してくれないか?…
『いいよ』さすがインド人、即答。
『どんな写真を撮るの?』早速、4460がiPhoneでイメージを説明していると
別の2人組が、『何をしてるの~』と 勝手に加わってきた。
4460も入れたらあっという間に人数揃ったやん。
でも、女性1人とスーツのインド人が欲しいな…。
そう思っていると、偶然スクーターに乗ったスーツのインド人が前方からやってきた!通勤途中と思われる彼の前に、4460は、轢かれることを覚悟で反射的に両手を広げて飛び出した。
スーツの男『危ないだろ‼』
怒るスーツに、助けてほしい。写真を撮りたいんだ。
『いいよ』 って、いいんや…。
こんな状況だからこそ思う…。インド人って、懐が深い。
ふと隣を見ると、野次馬の女性。
4460も勢いに乗って、一緒に写ってもらえませんか?と勧誘してみる。
『無理です』
むこう向いてるから顔は映らないよ。
『無理です』
- いよいよ撮影
よし、役者は揃った‼ まず、練習しよう。
じゃあ、左手を突き上げるタイミングは、
『ワン、ツー、スリー、ワンピース!でお願いします。』
じゃあ、行くぞ!『 ワン、ツー、スリー、ワンピース! 』
おい おいっ! 真ん中っ!突き上げるのは、左手や!
右から二番目、躊躇しない!
スーツも横を見ない!それからお前も右手ちゃう! 左手や‼
4460の厳しいチェックが入りながら練習を重ねると、不思議と徐々に息が合ってくる。
繰り返すこと、Take 7。ずいぶん粘った…。
『 ワン、ツー、スリー、ワンピース! 』
合格レベル‼ いい写真をいただきました。
6:50 100%インド人 寄せ集めの海賊団…。
早朝から、何をやらしとんねん…。
エキストラの皆さん、ご理解とご協力をいただき ありがとうございました!
- おまけ
インド人エキストラの皆さんにお礼を言って解散しようとしたときに、
スーツが気を利かしてくれる。
『お前も写りたいだろ、俺が撮ってやるよ』出勤前なのに、なんていい奴なんだ…。
『 ワン、ツー、スリー、ワンピース! 』
460、自分も写真に納まり大満足。
だけど、立ち位置は、大好きなウソップのところにしとけばよかった…。
次回は、隠れた見どころ、階段井戸へ
今日はここまで。
インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.28
- 早朝のジョードプル
目覚ましが鳴りだす前に目が覚める。
時刻は、4:55。
素早く身支度を整えて、バックパックに荷物を詰め込む。
今日の午後には、列車に乗ってジャイサルメールへ移動するので、
親戚のおばちゃんの家風のこのホテルには、1泊だけの宿泊となる。
忘れ物がないようにしないといけない。
昨夜、女将さんに早朝5時半にチェックアウトすると伝えると、
『自由に出て行っていいよ』と言われた。
そういえば、チェックインの時も何の手続きもしていない…。
ほんとにここは、ホテルなのか?
ホテルの扉を物音を立てないように、ゆっくりと開閉して外に出る。
少し空気が冷たい。
ジャイプールよりも西へやってきたが、朝は特に、気温も湿度も下がったと感じる。
メインゲートを開けると、子犬が走り寄ってくる。
インドの野良犬は、基本的には夜行性で、この暗い早朝は、まだまだ元気に活動する時間帯だ。母親らしき成犬が近づいてきて靴のにおいを嗅いでいる。
怒るかな、と思ったが、両足の間を通ってメインゲートの中に入って、
ゆっくり寝そべった。
どうやら、合格らしい。
ゲートは開けたままにしておこう。
- 時計台へ
ホテル前の道は、メヘランガール城と時計台のある市場を結ぶ旧市街のメインストリートとなる。メインストリートと言えばかっこよく聞こえるが、道幅4mほどの狭い通りだ。
細かく枝分かれする路地を覗くと、青い建物がちらほらと見える。
今すぐ路地に迷い込んで、ブルーシティーに触れてみたい誘惑に負けそうになるが、
今ではない。
今はまず、夜明けの時計台を目指そう。
右側に立派な寺院が見えてきた。
朝早くから、サリーで正装した女性が連れ立って参拝している。
それにしても、こんな早朝から?
こんなにたくさんの人が?
不思議に感じて尋ねてみると『ディワリの特別なプジャだよ』と教えてくれた。
プジャとは、インドのお祈り、神事、祭事など広い範囲で使われる言葉だ。
ディワリは、インド歴でいう日本のお正月にあたる祭事だ。
年間を通しても、インド人にとって最も重要なイベントではないかと思う。
そして、ムンバイの市街地よりも地方へ行くほうが、その思い入れと
伝統文化へのこだわりが強いと感じる。
再びメインストリートを進んでいく。
しばらくすると、正面から朝日の気配を感じはじめた。
今日も快晴。いい天気が続いている。
突然、ふっと視界が広がる。
そこは、ジョードプル駅から続く新市街地のメインストリートと旧市街のメインストリートが重なる大きな交差点。左を向くと時計台のある市場へとつながる。
日の出前に、なんとか到着できた。
市場に入る立派な門の向こうに、時計台が見えている。時刻は6:30だ。
やっぱり、ワンピースの時計台に似ている…。
- メヘランガール城と時計台
早朝の市場は、ほとんど人がいなかった。
店舗も、露店もまだ仕事をする気は無いらしい。
時計台のほうへ進んでいくと急に視界が広がり、左からメヘランガール城が現れた。
デカい…。圧倒的存在感だ。
このロケーション、左手を突き上げる アレ をやるしかないでしょう。
次回は、寄せ集めの海賊団、結成…。
今日はここまで。
インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.27
・なんか自然な感じ
今日の宿に到着して最初に迎えてくれたのは、たくさんの子犬だった。
迎えてくれたと言っても、宿のメインゲートの前で、
授乳中のままみんなで寝てしまっただけらしい…。
起こさないようにそっと脇を通って、敷地へ入り建屋の扉を開ける。
薄暗い屋内の奥から光が漏れている。
そこに、宿の主人らしき人影が見える。
手前には、どこが何のパーツなのか もうすでに判らないくらい、
クチャクチャの顔をしたパグがぐっすりと寝ている。
この宿の主人、かなりの犬好きのようだ。
ごめんください…。今夜予約している者ですけど…。
女将さん『今、手が離せないから、あがってきてー』
女将さんに誘われるがままに、奥の部屋まで上がることにする。
奥では、女将さんと大女将が何やら作業をしている。
どうやら、ディワリのお祝いとして親族で食べるための『Sajuri : サジュリ』の仕込みをしているので、手が離せなかったらしい。
客とどちらが大切か?インド人ならディワリかな…。
この粉物の塊を大女将が適当なサイズにちぎって丸める。
それを女将が薄く丸く伸ばす。
薄く延ばしたら、器に入った溶かしバターにくぐらせて、
色が黄色くなったら室温で乾燥させる。
奥には、乾燥中のサジュリがたくさん並べられている。
食べるときは、膨らむまで油で揚げて、インドディップをつけて食べるのだそうだ。
女将『チャイでも飲む?』…いただきます。
チェックインとかしないんですか?
『別にいいかな~。』
宿台帳とか、パスポートとか、アーダールとかいらないんですか…。
『別にいらないよ』……。
親戚のおばちゃんちに停まりに来たのと一緒やん…。
実際は、事前予約で前払いしているので問題はないが、
それにしても手続きの簡素化が進んでいる…と言えるのか?
しばらく(1時間ほど)チャイを飲みながら、女将と大女将と3人で、
この地域のディワリの準備や習慣についておしゃべりする…。
仕込みがひと段落したところで、やっと部屋に案内してくれるようだ。
不自然なようで、自然すぎる流れ…。
- 客室は、クラシック仕様。
案内された部屋は、クラシックな古城風の雰囲気の中に、
きちんとした清潔感があって、好印象だ。
さすがに、室内に犬はいない。
Juna Mahal Boutique Home Stay 1594ルピー/泊。
やっぱり、ホームステイらしい。
そして、やっぱりインドの親戚のおばちゃんの家のようだ…。
それにしても、部屋のクオリティーは高い。
これは、あたりやな。
- 明日の予定
少しベットに横になって、明日のスケジュールを確認する。
明日は、14:50の列車に乗って、ゴールデンシティー/ジャイサルメールに向けて出発する。探索は午前中が勝負となるので、早朝から、メヘランガールの城下町である、ブルーシティー/ジョードプルを徹底散策する予定だ。
5時 起床。5時半 出発。市場の時計台まで行ってから夜明けを待つ。
こんな感じだ。
メヘランガール城へは、ジャイサルメールから戻った明後日に、
一日かけて探索してみるつもりだ。
実は、明日どうしても、ここジョードプルで絶対に達成したいことがある。
それは、今や日本の国民的アニメの代表格となったワンピースのあのシーンを実写版で再現したいと考えているのだ。
そう、ここジョードプルは、
ワンピース「アラバスタ編」のモデルになったと噂される街。
状況証拠も揃っている。1.時計台 2.メヘランガール城 3.銃犬ラッスー。
明日は、人の少ない早朝を狙って実写版を実行する。
- 黒いメヘランガール城を眺めて
明日の予定を再確認した4460は、ホテルのテラスへ登って晩飯を食べることにする。
明日も歩き回るのだから、エネルギーが必要だ。
ビールを飲みながら、モネ ブルーにライトアップされて雰囲気のあるテラスから、
メヘランガール城側を眺めてみる。
正直、真っ暗でよく見えない。
テラスの手すりのところまで行くと、
黒い塊となったメヘランガール城の輪郭が見えてきた。
思ってるよりも、デカいな…。
次回は、あの名シーン、ジョードプルで再現なるか…。
今日はここまで。
インドで一人旅『列車で行くしかないでしょ 』 EP.26
- 日没
16:30 ジョードプル到着まであと2時間余り。
静かな車内で深夜特急を読んでいる。眠気を感じ 目を閉じる。
少し寝てもいいかな…。
17:45 ふっと目が覚めると、窓の外に夕日が見える。
一時間ほど眠っていたらしい…。
18:25 少し早いと思うが、乗客が降りる準備を始める。
インド列車 スリーパーの客車には、それぞれ前後に一対しかドアが付いていない。
目的地の手前になるといち早く降りたい乗客は、
ドアから客車内の通路にかけて長い列を作って停車を待つ。
ドアの先頭付近にいるインド人は、半分、身体を乗り出して待機し、
停車前に飛び降りるつもりだ。
4460も負けじと荷物をまとめ、インド人の列に加わることにした。
前のドアは、開いている。
『押すなよ~。絶対に押すなよ~』
頭の中に何処からか”ダチ〇ウ俱楽部”の声が聞こえてくる。
これは『押せ!』の合図ではないと信じる…。
シャレにならない…。
- ジョードプル駅、到着
18:30 時間通りにジャイプール到着。
まさかの時間通り…インドの奇跡…。
しかし、日没の時間がすっかり早くなってしまった。
もう、あたりは真っ暗だ…。
ジョードプルは、ラジャスタン州の中核都市に位置付けられており、
駅も比較的大きい。暗くなっていても、灯に照らされたホームには、十分すぎるぐらい人の気配を感じることができる。
遂に、2番目の目的地にやってきた。
陸橋を渡って、駅舎に入る。やっぱり改札はなく、駅の外まですんなりだ。
駅の外に出ると、やっぱりリキシャ運転手の客引き攻撃の的にされる。
しかし、今回は心に決めていることがある。
ジャイプールでそうだったように、到着地でいきなりリキシャに乗って目的地へ行ってしまうと、土地勘を掴むのに時間がかかってしまう。
ジョードプルでは、宿泊するホテルまで絶対に歩いていく!
そう決めていた。
乗らないよ。
群がるリキシャ運転手に言い残して、宿へ向かって歩き始める。
- メヘランガールの城下町へ
今夜の宿は、ジャイプール駅から徒歩45分のメヘランガール城の城下町、旧市街に位置している。歩いて向かうために、グーグルマップで調べてみると、細い道が入り組んだその先を示している。特に急ぐ理由もないので、旧市街の狭い路地をゆっくり歩いて楽しむことにした。
それにしても、陽が暮れたばかりのこの時間帯は、とにかく、何処からか沸き出てきたインド人によって密度が上昇する。細い道からインド人が溢れてくる。
前方に、見慣れたムンバイと同じカラーリングのリキシャが停まっている。
んっ⁉なんかおかしい…。
えらい細くない…。
やっぱりっ!
ほらっ!幅が全然違う!
祖先(ルーツ)が同じでも、
育つ環境が異なることで独自の進化を遂げたに違いない…。
リキシャ進化論。学術的に価値はあるだろうか。
おそらく無いだろうな…。
アホなことを考え、細リキシャに轢かれそうになりながら歩いていると、
今日の宿泊先が見えてきた。
やっぱり歩いてみるのも悪くない。
次回は、真っ暗のメヘランガール城を見ながら…。
今日はここまで。